福祉・教育・医療
私たちはふつうに老いることができない: 高齢化する障害者家族 作者:児玉 真美 発売日: 2020/05/25 メディア: Kindle版 このタイトルが「刺さる」人は、おそらく障害者の親かその関係者だろう。障害当事者にさえなかなか光が当たらない中、「障害者の親」の…
発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書) 作者:本田 秀夫 発売日: 2018/12/06 メディア: 新書 発達障害と一口に言っても、自閉スペクトラム(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などさまざまなタイプがある。そうした様々なタイプの…
大いなる看取り―山谷のホスピスで生きる人びと 作者:中村 智志 メディア: 単行本 東京・山谷のドヤ街にある「きぼうのいえ」は、行き場のない人々を看取るための施設である。 マザー・テレサの「死を待つ人の家」の日本版を作ろうと、山本雅基、美恵の二人が…
ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫) 作者:中島 梓 発売日: 2015/01/02 メディア: 文庫 この人は生涯に、ガン闘病記を3冊書いている。以前取り上げた『アマゾネスのように』、本書、そして最期の日々を綴った『転移』である。何度もガンになってしまう…
記憶する体作者:伊藤 亜紗発売日: 2019/09/18メディア: 単行本 たとえば、ある全盲の女性は話しながらメモをとる。別のやはり全盲の男性は、数字の0はピンク、1は白など、数字や文字から色彩を連想する。交通事故で左足の膝から下を失った男性は、「ない足を…
居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) 作者:東畑 開人 発売日: 2019/02/18 メディア: 単行本 エッセイ風のおどけた語り口。だが、その内容はなかなかに深遠だ。なにしろこの本は、ケアとセラピーの違い、ケアの本質を、…
『障害と文学』『差別されている自覚はあるか』など、先鋭的な視点で日本の障害者運動や障害者差別の歴史を追い続けてきた著者による、本気の「障害者差別論」。とはいえ、精神障害者や知的障害者への差別のこと、障害者権利条約や障害者差別解消法のこと等…
このタイトルは、ちょっとずるい。人間関係やコミュニケーションに悩む人であればあるほど、このタイトルは釣り針のように引っかかって外れなくなる。 内容もまた、心に引っかかって外れなくなる「釣り針フレーズ」が満載だ。著者は大学時代に心を病み、路上…
誤作動する脳 (シリーズ ケアをひらく) 作者:樋口 直美 発売日: 2020/03/02 メディア: 単行本 最近こういった本が増えてきた。こういった本、というのは、病気や障害の当事者みずからが、その体験や思いを語る本、ということだ。高機能自閉症、統合失調症、…
貧乏物語 (岩波文庫 青132-1) 作者:河上 肇 発売日: 1965/10/16 メディア: 文庫 タイトルは「物語」とあるが、今で言えば「貧困論」。まだ「貧困」という言葉が使われてさえいなかった大正5年の日本で顕在化しつつあった「貧乏」と格差の問題を熱く論じた一…
家族関係を考える (講談社現代新書) 作者:河合 隼雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1980/09/18 メディア: 新書 なんと40年ほど前に書かれた本。家庭内暴力や非行がクローズアップされている一方、今なら家族の「症状」として外せないであろうひきこもりや…
自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント 作者:松本 俊彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/02/18 メディア: 新書 Q1 リストカットなどの自傷をするなんて、どうせごく一部の人の問題でしょ? A1 違います。10代の若者に限っ…
対象喪失―悲しむということ (中公新書 (557)) 作者:小此木 啓吾 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1979/11/21 メディア: 新書 死別、離婚、失恋。大切な人との別れは人生につきものだ。そんな時、人はどのようにして悲しみを乗り越えるのかについて、…
薬物依存症 (ちくま新書) 作者:松本 俊彦 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/09/06 メディア: 新書 「ダメ、ゼッタイ」を連呼する薬物教育。薬物所持で逮捕された芸能人を声高にバッシングするマスメディア。「薬物依存は犯罪だから、一度でも使ったら…
ロスト・ケア (光文社文庫) 作者:葉真中 顕 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/02/10 メディア: 文庫 デビュー作というのが信じられないほどの、重厚な社会派ミステリー。超高齢社会を迎えた現代の日本のありようを、迫真のリアリティで描き出す。 「地…
8050問題の深層: 「限界家族」をどう救うか (NHK出版新書) 作者:川北 稔 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2019/08/30 メディア: 単行本 「ひきこもり」「8050問題」の現状を、データ、具体例、問題点、解決策にわたり、コンパクトかつバランスよく捉え…
ルポ ひきこもり未満 レールから外れた人たち (集英社新書) 作者:池上 正樹 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/09/14 メディア: 新書 紹介しようかどうしようか、最後まで迷った一冊。この「読書ノート」では、自分が手に取った本の半分くらいを紹介して…
「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか 作者: 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2019/07/12 メディア: 単行本 今年も残すところあと数日だが、今年の「読書ノート」更新は今日がラストの予定。中止したり再開したりと相変わらず揺…
家族の違和感・親子の違和感―精神科医が読み解く「幸・不幸」 作者:春日 武彦 出版社/メーカー: 金子書房 発売日: 2010/03/01 メディア: 単行本 臨床の現場を通じてさまざまな家族に出会ってきた著者による、家族論、親子論。家族というものがもつ本質的な厄…
パパは楽しい躁うつ病 (新潮文庫) 作者: 北杜夫,斎藤由香 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/09/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 北杜夫はひととおり読んだつもりだったが、「松岡正剛の千夜千冊」で取り上げられるまで、こんな本…
「隔離」という病い―近代日本の医療空間 (中公文庫) 作者: 武田徹 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2005/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (32件) を見る 病気だから隔離する、と人はいう。だが過剰な隔離は、それ自…
病んだ家族、散乱した室内―援助者にとっての不全感と困惑について (シリーズケアをひらく) 作者: 春日武彦 出版社/メーカー: 医学書院 発売日: 2001/09/01 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 36回 この商品を含むブログ (22件) を見る 2001年刊行。使わ…
老後親子破産 作者: NHKスペシャル取材班 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/04/06 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 老後の貧困は単身者の問題、家族がいれば大丈夫、と思っている人は、案外多い。だが、その「家族」が非…
「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書) 作者: 大井玄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2008/01/01 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 37回 この商品を含むブログ (36件) を見る 他の利用者を夫と思い込む、家に帰ろうとして外に出てしまう、誰もいない…
脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書) 作者: 中野信子 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/01/30 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 「何かを成し遂げ、社会的に評価されて感じる喜び」と「ギャンブルやセック…
ゆかいな認知症 介護を「快護」に変える人 (講談社現代新書) 作者: 奥野修司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/11/14 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 昨日に引き続き高齢者関係の本、と思われるかもしれないが、実は本書に出てくる当事者は…
老後破産: ―長寿という悪夢― (新潮文庫) 作者: NHKスペシャル取材班 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/01/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る サブタイトル「長寿という悪夢」が、本書の内容を一言で言い表している。まっとうに人生を送り、…
教誨師 (講談社文庫) 作者: 堀川惠子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/04/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 死刑囚に神仏の教えを説く「教誨師」。その「仕事」の中身が、こんなにすさまじいものだとは知らなかった。なにしろ相手…
安楽死・尊厳死の現在-最終段階の医療と自己決定 (中公新書) 作者: 松田純 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2018/12/19 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 安楽死を最初に法制化したのはオランダである。ベルギー、ルクセンブルク、カナダな…
無敵のハンディキャップ―障害者が「プロレスラー」になった日 (文春文庫) 作者: 北島行徳 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1999/06 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 46回 この商品を含むブログ (18件) を見る インスタグラムからの転載。 この本は「…