2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 作者:ヤニス・バルファキス 発売日: 2019/03/07 メディア: Kindle版 ひところずいぶんと話題になった本。著者は、経済危機の渦中のギリシャで財務大臣を務めた人物だ。我が国と比べ…
八月のひかり 作者:中島 信子 発売日: 2019/07/19 メディア: Kindle版 現代日本の「貧困」を正面から描いた児童文学。弟の勇希の明るさや母親の善人ぶりにだいぶ救われてはいるが、基本的には暗く、ヘビーな内容だ。父親の失職がきっかけで起きた暴力、子供…
居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) 作者:東畑 開人 発売日: 2019/02/18 メディア: 単行本 エッセイ風のおどけた語り口。だが、その内容はなかなかに深遠だ。なにしろこの本は、ケアとセラピーの違い、ケアの本質を、…
黄金州の殺人鬼――凶悪犯を追いつめた執念の捜査録 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-9) 作者:ミシェル・マクナマラ 発売日: 2019/09/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) ある意味、フィクションでは絶対にありえない一冊だ。事実だけがもつ重み…
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 作者:ロルフ・ドベリ 発売日: 2019/04/12 メディア: Kindle版 Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法 作者:ロルフ・ドベリ 発売日: 2020/01/22 メディア…
地図になかった世界 (エクス・リブリス) 作者:エドワード P ジョーンズ 発売日: 2011/12/21 メディア: 単行本 なんだかとんでもないモノを読んでしまった気がする。なんというか、この本の中に世界がまるごと入っているようなスケールの小説。『カラマーゾフ…
『障害と文学』『差別されている自覚はあるか』など、先鋭的な視点で日本の障害者運動や障害者差別の歴史を追い続けてきた著者による、本気の「障害者差別論」。とはいえ、精神障害者や知的障害者への差別のこと、障害者権利条約や障害者差別解消法のこと等…
国のない男 (中公文庫) 作者:カート・ヴォネガット 発売日: 2017/03/22 メディア: 文庫 以前読んだ『スラップスティック』より、私にはこちらの本のほうがすんなり入ってきた。御年82歳のヴォネガットによるエッセイ集。遺作である。 とはいえ、本書には枯…
リーガルマインドが身につく自治体行政法入門 作者:喜宣, 北村 発売日: 2018/01/01 メディア: 単行本 冒頭の「小学校3年生の子どもに『役所って何をするところなの?』って聞かれたらどう答える?」という問いにまずドキッとする。あなたなら何と答えますか…
たまには雑談的に。選挙のことなど。 この「読書ノート」をお読みの方はご存知だろうが、選挙事務を担っているのは区市町村の職員である。それは国政選挙だろうが、今回のように知事選だろうが同じこと。地方自治法別表の「法定受託事務リスト」を見ていただ…
ブラフマンの埋葬 (講談社文庫) 作者:小川 洋子 発売日: 2007/04/13 メディア: 文庫 ブラフマンとは、本書の説明ではサンスクリット語で「謎」という意味。だが実際は、ヒンドゥー教の宇宙原理を指す。だから「ブラフマンの埋葬」とはものすごく深遠なタイト…
このタイトルは、ちょっとずるい。人間関係やコミュニケーションに悩む人であればあるほど、このタイトルは釣り針のように引っかかって外れなくなる。 内容もまた、心に引っかかって外れなくなる「釣り針フレーズ」が満載だ。著者は大学時代に心を病み、路上…