hachiroetoのものぐさ遊読帖

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

せつなさ・いとおしさ・なつかしさ

【2762冊目】江國香織『号泣する準備はできていた』

号泣する準備はできていた (新潮文庫)作者:香織, 江國新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン86冊目。「前進、もしくは前進のように思われるもの」「じゃこじゃこのビスケット」「熱帯夜」「煙草配りガール」「溝」「こまつま」「洋一も…

【2761冊目】王城夕紀『青の数学』

青の数学(新潮文庫nex)作者:王城夕紀新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン85冊目。数学と情緒を結びつけて語ったのは岡潔ですが、この小説では、数学と叙情が結びついています。細かい説明よりも、独特の空気感に包まれて読む小説で…

【2760冊目】谷崎潤一郎『春琴抄』

春琴抄(新潮文庫)作者:谷崎潤一郎新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン84冊目。再読ですが、何度読んでもヤバい小説です。「愛している」と、言葉で言うのは簡単です。それなりの行動で示すことも、あるでしょう。でも、ここに出てく…

【2758冊目】小川糸『あつあつを召し上がれ』

あつあつを召し上がれ (新潮文庫)作者:小川 糸新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン82冊目。実ははじめての小川糸作品。前から気になっていた作家さんではあったのですが。短篇集です。どの作品も、食べ物が登場し、重要な役割を演じて…

【2757冊目】佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』

明るい夜に出かけて(新潮文庫)作者:佐藤多佳子新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン81冊目。大学を休学し、コンビニの夜勤バイトで生活する富山は、実はひそかに深夜ラジオにネタを投稿しています。実は、以前は別の名前で頻繁に投稿…

【2753冊目】恩田陸『夜のピクニック』

夜のピクニック(新潮文庫)作者:恩田 陸新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン77冊目。実は、恩田陸の小説はちょっと苦手。なので、本書もなんとなく敬遠していたのですが、読んでみたら予想外の素晴らしさにびっくり! 読むうちに夢中…

【2748冊目】芥川龍之介『蜘蛛の糸・杜子春』

蜘蛛の糸・杜子春(新潮文庫)作者:芥川龍之介新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン72冊目。「蜘蛛の糸」「犬と笛」「蜜柑」「魔術」「杜子春」「アグニの神」「トロッコ」「仙人」「猿蟹合戦」「白」を収録。芥川といえばこの作品、と…

【2737冊目】太宰治『人間失格』

人間失格 (新潮文庫)作者:治, 太宰新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン61冊目。人間失格といえば「恥の多い生涯を送って来ました」という有名な書き出しですが、実はその前にプロローグがあるのをご記憶でしょうか。3枚の写真につい…

【2736冊目】朝井リョウ『何者』

何者 (新潮文庫)作者:朝井 リョウ新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン60冊目。話題の多い作家さんですが、読むのは本書が2冊目です。最初に読んだ『世界地図の下書き』は児童養護施設を舞台にしたすがすがしい作品でしたが、さて、本…

【2733冊目】綿矢りさ『ひらいて』

ひらいて (新潮文庫)作者:綿矢 りさ新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン56冊目。社交的で可愛い少女が、クラスの冴えない男子を好きになるが、彼には恋人がいる。持病があり地味目のその女の子に近づいた主人公の少女は、なんと女の子…

【2721冊目】燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』

ボクたちはみんな大人になれなかった(新潮文庫)作者:燃え殻新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン43冊目。実はこの本、単行本で一度読んでいる。チープすぎて「読書ノート」に取り上げる気にもならなかったのだが、まさか「新潮文庫の…

【2714冊目】ルーシー・モード・モンゴメリ『赤毛のアン』

赤毛のアン (新潮文庫)作者:モンゴメリ新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン36冊目。いや〜、まさかこの年になって『赤毛のアン』を読むことになるとは思いませんでした。しかも「もっと早く読んでおけばよかった」と思うとは! 名作と…

【2712冊目】山田詠美『ぼくは勉強ができない』

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)作者:詠美, 山田新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン34冊目。主人公の時田秀美は、17歳の高校生。勉強はできないが、女性にはよくモテる。そして、そっちのほうがずっと大事なことだとわかっている。…

【2711冊目】三浦しをん『きみはポラリス』

きみはポラリス (新潮文庫)作者:しをん, 三浦新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン33冊目。読んでびっくりしました。三浦しをんは『舟を編む』など何冊かを読んだ印象では、どちらかというとライトでコミカルなお仕事小説のイメージが…

【2709冊目】畠中恵『てんげんつう』

てんげんつう作者:恵, 畠中新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン31冊目。上は、なぜか文庫の画像が出てこなかったので、単行本バージョンになってます。前回紹介した『しゃばけ』に続き、今度はシリーズの18冊目。なんと刊行20年目との…

【2706冊目】七月隆文『ケーキ王子の名推理』

ケーキ王子の名推理(新潮文庫)作者:七月 隆文新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン28冊目。ケーキ好きで単純素朴な女子高生の未羽は、失恋の痛手を癒やそうとたまたま入ったケーキ屋で、学校一のイケメンだが女の子には冷たいので「…

【2704冊目】西加奈子『白いしるし』

白いしるし (新潮文庫)作者:西 加奈子新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン26冊目。こういう本を読むと、恋愛というものからずいぶん遠ざかったものだなあ、と思う。一人の人をここまで好きになることの、溶けるような幸福。その相手に…

【2703冊目】川端康成『雪国』

雪国(新潮文庫)作者:川端康成新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン25冊目。例によって若かりし頃に読みましたが、ピンと来なかった一冊です。むしろ「片腕」や「眠れる美女」の妖しさのほうが分かりやすく、惹かれるものがありました…

【2699冊目】吉本ばなな『キッチン』

キッチン作者:吉本ばなな幻冬舎Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン21冊目。「わたしがこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う」という書き出しから、一挙に引き込まれる。主人公のみかげの孤独が、一緒に暮らす雄一の孤独としずかに共鳴…

【2696冊目】サン=テグジュペリ『星の王子さま』

星の王子さま (新潮文庫) 作者:サン=テグジュペリ 新潮社 Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン第1投にして、18冊目。まずはこのあたりから始めましょうか。 超有名な一冊ですね。私も何度も読んできましたが、『夜間飛行』や『人間の大地』…

【2684冊目】乙一『夏と花火と私の死体』

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)作者:乙一集英社Amazon 今や有名作家の一人になった乙一だが、本書が世に出たときは、16歳の少年が書いたとは信じられないクオリティと斬新さが話題をさらったものだった。私も当時読んでびっくりしたのを覚えている。その時…

【2676冊目】ケン・リュウ『紙の動物園』

紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)作者:ケン リュウ早川書房Amazon 現代SFを代表する名作。とはいえ本書のセレクションは、SFというより、どちらかというとファンタジーに近い。あるいは「寓話」というのが、一番近いかもしれない。ただしそれは、どこか…

【2675冊目】こうの史代『この世界の片隅に』

この世界の片隅に : 上 (アクションコミックス)作者:こうの史代双葉社Amazon この世界の片隅に : 中 (アクションコミックス)作者:こうの史代双葉社Amazon この世界の片隅に : 下 (アクションコミックス)作者:こうの史代双葉社Amazon はい。オールタイムベ…

【2650冊目】河野裕『いなくなれ、群青』

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)作者:河野 裕新潮社Amazon 公園を横切っていたはずの「僕」は、気がつくと「階段島」にいた。ここから出るためには、どうやら「失くしたもの」を見つけなければならないらしい。そして、そこで「僕」は、真辺由宇という少女に…

【2640冊目】吉村昭『冷い夏、熱い夏』

冷い夏、熱い夏(新潮文庫)作者:吉村昭新潮社Amazon 今やインフォームド・コンセントの時代、癌の告知なんて当たり前ですが、本書が書かれた1980年代は、そうではなかったんですね。癌の診断は身内にだけ伝え、本人には隠し通すのが普通。本書の著者、吉村…

【2634冊目】寺地はるな『月のぶどう』

月のぶどう (ポプラ文庫)作者:はるな, 寺地ポプラ社Amazon いやあ、これは良い話だった。心に沁みました。舞台は月雲市という架空の町にあるワイナリー。そこを切り回してきた母が急逝し、娘の光実は悲しみに暮れるが、双子の弟の歩は泣くことができない。優…

【2614冊目】寺地はるな『ミナトホテルの裏庭には』

ミナトホテルの裏庭には (ポプラ文庫)作者:はるな, 寺地ポプラ社Amazon 今日読んだのは『ビオレタ』に続き寺地はるな。今回の主人公は男性です。祖父に頼まれて「ミナトホテル」の裏庭を開ける鍵を探す芯輔(しんのすけ)を中心に、やはり個性的でどこか達観…

【2606冊目】寺地はるな『ビオレタ』

ビオレタ (ポプラ文庫)作者:はるな, 寺地ポプラ社Amazon 最近よく名前を見るので気になっていた作家。この本はたまたま見かけて手に取ったけど、後から調べたらデビュー作とのこと。ポプラ社小説新人賞を受賞したらしい。だからというわけじゃないが、とって…

【2589冊目】マーク・ハッドン『夜中に犬に起こった奇妙な事件』

夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハヤカワepi文庫)作者:マーク・ハッドン早川書房Amazon 「ぼく」は特別支援学校に通う15歳の少年だ。数学が得意で、今度数学の上級試験を受ける。だからこの本の章番号は全部素数になっている。人の感情を読み取るのは苦手だ…

【2533冊目】『「この世界の片隅に」こうの史代・片渕須直対談集』

「この世界の片隅に」こうの史代 片渕須直 対談集 さらにいくつもの映画のこと作者:史代, こうの,須直, 片渕発売日: 2019/11/29メディア: 単行本 映画『この世界の片隅に』を監督した片渕須直氏と、原作を描いたこうの史代氏が、映画の公開から、(監督曰く…