2019-01-01から1年間の記事一覧
「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか 作者: 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2019/07/12 メディア: 単行本 今年も残すところあと数日だが、今年の「読書ノート」更新は今日がラストの予定。中止したり再開したりと相変わらず揺…
半席 (新潮文庫) 作者:青山 文平 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/09/28 メディア: 文庫 時代小説でありながら、現代のサラリーマンにも通じるものがある。『つまをめとらば』で夫婦、男女を描いた著者が、今度は組織に生きる人間を描いた一冊。 主人…
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫) 作者:ジェームズ・M. ケイン 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/08/28 メディア: 文庫 映画はずっと前に見たような気がするが、あまりよく覚えていない。初めて原作を読んで驚いた。ものすごく面白い。浮気した人…
哲学と宗教全史 作者:出口 治明 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2019/08/08 メディア: 単行本 だんだん出口治明という人がわからなくなってきた。ライフネット生命を立ち上げたベンチャー起業家であり、それが還暦になってからということで高齢者…
書くための勇気: 「見方」が変わる文章術 作者:川崎 昌平 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2019/04/09 メディア: 単行本 ささやかな個人ブログながら、長きにわたり「書く」ことを続けてきた私としては、今までやってきたことへのお墨付きをいただいたとい…
酒みずく・語る事なし (新潮文庫) 作者:山本 周五郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1994/11/29 メディア: 文庫 山本周五郎のエッセイ集。小説はいろいろ読んできたけど、エッセイは初めて。意外だったのは、けっこう「毒舌」が多いこと。小説のイメージと…
ボトルネック (新潮文庫) 作者:米澤 穂信 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/09/29 メディア: 文庫 一部ネタバレがありますので、ご注意を。パラレルワールドとミステリが融合した物語だが、問題はもう一つの世界に「自分」がいないこと。もともとの世界…
鬼談 (角川文庫) 作者:京極 夏彦 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/02/24 メディア: 文庫 『幽談』『冥談』『眩談』『旧談』に続く、京極夏彦の怪談シリーズらしい。「らしい」というのは、実はこのシリーズ初読だから。というか、京極夏彦自体がずい…
世界の根源 (ちくま学芸文庫) 作者:クロード‐アンリ ロケ,アンドレ ルロワ=グーラン 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/07/10 メディア: 文庫 だいぶ前に読んだ『身ぶりと言葉』は、すごいことが書かれているのはなんとなくわかるのだが、なかなか入っ…
家族の違和感・親子の違和感―精神科医が読み解く「幸・不幸」 作者:春日 武彦 出版社/メーカー: 金子書房 発売日: 2010/03/01 メディア: 単行本 臨床の現場を通じてさまざまな家族に出会ってきた著者による、家族論、親子論。家族というものがもつ本質的な厄…
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 作者:デイヴィッド・ゴードン 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/01/25 メディア: 文庫 ペンネームでチープなミステリ、ポルノまがいのSF、ヴァンパイア小説を書き散らし生計を立てている「二流小説家」ハリ…
本を読めなくなった人のための読書論 作者:若松 英輔 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2019/09/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) いまどき「本を読めない」ことを気に病む人がどれくらいいるのか、考えてみると心もとない限りだが、それはそれとして…
映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫) 作者:西川 美和 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2015/08/01 メディア: 文庫 映画監督・西川美和のエッセイ集。前半、xにはそれぞれのエッセイごとに「ヒーロー」「裸」「オーディション」などの言葉が入…
生存する意識――植物状態の患者と対話する 作者:エイドリアン・オーウェン 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2018/09/19 メディア: 単行本 生命維持装置につながれ生きていることはできるが、全く何の反応も示さない、いわゆる植物状態になると、人は、物…
書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫) 作者:ガブリエル ゼヴィン 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/12/06 メディア: 文庫 めったに出会えない、珠玉の物語。妻を亡くした偏屈な書店主フィクリー、書店に置いていかれた2歳の女の子マヤ、…
葛飾土産 (中公文庫) 作者:永井 荷風 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/03/20 メディア: 文庫 永井荷風が戦後に書いた作品を集めた一冊だが、一番びっくりしたのは巻末に寄せられた石川淳の「敗荷落日」という解説?文。なにしろボロクソなのだ。…
話術 (新潮文庫) 作者:徳川 夢声 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/03/28 メディア: 文庫 不世出の漫談家、「話術の神様」による話術の手引き。座談から会談、講演まで、さまざまな語りの場面ごとに、重要なポイントを教えてくれる。要点を箇条書きして…
我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの (ブルーバックス) 作者: 藤崎慎吾 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/08/22 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る なんともマッドサイエンティスト風、あるいはフランケンシュタイン風の…
旅のラゴス (新潮文庫) 作者: 筒井康隆 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1994/03/30 メディア: 文庫 購入: 44人 クリック: 360回 この商品を含むブログ (139件) を見る 単行本初版が昭和61年というから、筒井康隆がもっとも破壊力のある作品を書いていたこ…
パパは楽しい躁うつ病 (新潮文庫) 作者: 北杜夫,斎藤由香 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/09/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 北杜夫はひととおり読んだつもりだったが、「松岡正剛の千夜千冊」で取り上げられるまで、こんな本…
殿様の通信簿 (新潮文庫) 作者: 磯田道史 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2008/09/30 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 39回 この商品を含むブログ (24件) を見る 歴史でも科学でもアートでも、その領域を深く追求する人と同様、その世界の面白さをうま…
桜井哲夫詩集 (新・日本現代詩文庫) 作者: 桜井哲夫 出版社/メーカー: 土曜美術社出版販売 発売日: 2003/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 夏空を震わせて 白樺の幹に鳴く蝉に おじぎ草がおじぎする 包帯を巻いた指…
荒野へ (集英社文庫) 作者: ジョン・クラカワー,佐宗鈴夫 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2007/03/20 メディア: 文庫 購入: 19人 クリック: 171回 この商品を含むブログ (85件) を見る 裕福な家庭に育ち、大学を優秀な成績で卒業したクリス・マッカンドレ…
孤独のグルメ 【新装版】 作者: 久住昌之,谷口ジロー 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2008/04/22 メディア: コミック 購入: 59人 クリック: 1,251回 この商品を含むブログ (445件) を見る 今さらでてきたのかよ、と言われそうなグルメ系マンガ定番中の定番…
地獄めぐり (講談社現代新書) 作者: 加須屋誠 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/06/19 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る ひところ「地獄」がテーマの絵本がはやったが、古くから「地獄絵」は多くの人に影響を与えてきたと著者は言う。清少納…
日本語の年輪 (新潮文庫) 作者: 大野晋 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1966/05/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (13件) を見る 普段当たり前に使っている言葉がもつ、意外きわまるルーツを紹介する。読めば読むほど、言…
老いへの不安 歳を取りそこねる人たち 作者: 春日武彦 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2011/04/07 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (7件) を見る いつまでも若くいられるわけじゃないことはわかっている。でも、どう…
「隔離」という病い―近代日本の医療空間 (中公文庫) 作者: 武田徹 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2005/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (32件) を見る 病気だから隔離する、と人はいう。だが過剰な隔離は、それ自…
25時 (新潮文庫) 作者: デイヴィッドベニオフ,David Benioff,田口俊樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2001/08 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (19件) を見る 『卵をめぐる祖父の戦争』などで有名なベニオフ第1作。もっと…
箱の中の天皇 作者: 赤坂真理 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/02/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 前著『東京プリズン』で東京裁判と真正面から切り結んだ赤坂真理が、今度は「天皇」をメインテーマに据えた。しかも今度は、「…