国家・市場・労働
この世にたやすい仕事はない (新潮文庫)作者:記久子, 津村新潮社Amazon 「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン87冊目。ちょっと風変わりな「お仕事小説」。風変わり、というのは、お仕事小説の多くは「一つの仕事を通じて人間が成長していく」プロセ…
100年予測作者:ジョージ フリードマン早川書房Amazon 地政学の本が、書店でも最近目立つようになってきた。内容は玉石混淆だが、地政学のおもしろさと凄みを知りたければ、ジョージ・フリードマンをオススメしたい。アメリカで「影のCIA」の異名をもつ情報分…
ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論作者:デヴィッド・グレーバー岩波書店Amazon コロナ禍で注目された人々といえば「エッセンシャル・ワーカー」でしょう。医療従事者、介護職員、ごみ収集員、トラックドライバーなど、社会機能の維持に不可欠…
ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020年12月 (NHK100分de名著)作者:岸 政彦NHK出版Amazon こないだの月曜日、なんの気無しに見たEテレ「100分de名著」が思いのほか面白く、あわててテキストを購入しました。とくに「自分が好きなものや趣味は、自分で選ん…
チャヴ 弱者を敵視する社会作者:オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones海と月社Amazon タイトルの「チャヴ」とは、イギリスで労働者階級を指す「侮蔑語」だ。多くは公営住宅に住み、低賃金の仕事か生活保護で暮らす「急激に増加する粗野な下流階級」。これに相…
侍女の物語作者:マーガレット アトウッド早川書房Amazon キリスト教原理主義者のクーデターが起きた「もうひとつのアメリカ」が舞台。ギレアデと名付けられたその国では、すべての女性が財産を没収され、仕事を奪われ、別の役割をあてがわれています。本書の…
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 作者:ヤニス・バルファキス 発売日: 2019/03/07 メディア: Kindle版 ひところずいぶんと話題になった本。著者は、経済危機の渦中のギリシャで財務大臣を務めた人物だ。我が国と比べ…
ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在 (PHP新書) 作者:福島 香織 発売日: 2019/06/19 メディア: 新書 ナチス・ドイツのユダヤ人大量虐殺が明らかになったのは、戦争が終わってからだった。もし戦時中からアウシュヴィッツの存在が知られてい…
フィンテック (日経文庫) 作者:柏木亮二 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2017/07/20 メディア: オンデマンド (ペーパーバック) 金融の世界に、今とんでもないことが起きているらしい。電子マネーからスマートフォンバンキング、クラウドファン…
働きざかりの心理学 (新潮文庫) 作者: 河合隼雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1995/04/28 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (22件) を見る なんと単行本は昭和56年の刊行。今とは労働環境も社会情勢もだいぶ違うが、それで…
新・日本の階級社会 (講談社現代新書) 作者: 橋本健二 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/01/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見る 一億総中流はどこへやら、日本が「格差社会」であると言われて久しい。だが、本書の著者はさらに一歩…
世界から消えた50の国 1840-1975年 作者: ビョルン・ベルゲ,角敦子 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2018/07/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 驚くべき本である。本書で取り上げられているのは、すべて「今は存在しない」国ばかり(…
ヨーロッパ炎上 新・100年予測: 動乱の地政学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: ジョージフリードマン,George Friedman,夏目大 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/04/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 著者は地政学のエキ…
サラリーマン合気道―「流される」から遠くに行ける 作者: 箭内道彦 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2008/09 メディア: 単行本 購入: 9人 クリック: 100回 この商品を含むブログ (48件) を見る インスタグラムからの転載。 著者の名前は知らなくても「NO MU…
すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) 作者: オルダス・ハクスリー,水戸部功,大森望 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/01/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る ひところ、某所で「古典は必要か否か」が議論になっていたが…
日本が売られる (幻冬舎新書) 作者: 堤未果 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/10/04 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 衝撃的な本。この本に書かれていることが半分でも事実なら、日本はまさに「ひょうすべの国」まっしぐら、というこ…
それをお金で買いますか (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: マイケル・サンデル,鬼澤忍 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2014/11/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 先日に引き続き、マイケル・サンデル。前著は既存の思想の紹…
ひょうすべの国――植民人喰い条約 作者: 笙野頼子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/11/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 気になって、遠目でちらちら覗いていたが、なんだかおっかなくって近寄りがたかった笙野頼子作品。…
プロテスタンティズムの世俗内的禁欲は、所有物の無頓着な享楽に全力をあげて反対し、消費を、とりわけ奢侈的な消費を圧殺した。その反面、この禁欲は心理的効果として財の獲得を伝統主義的倫理の障害から解き放った、利潤の追求を合法化したばかりでなく、…
最後の資本主義 作者: ロバート・B.ライシュ,Robert B. Reich,雨宮寛,今井章子 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2016/12/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 政府があって、それとは独立して「自由市場」がある。政府は「自由…
保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書) 作者: 宇野重規 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/06/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (9件) を見る 「保守」があって「革新」がある、のではない。順序からいえば「革新…
18歳からの格差論 作者: 井手英策 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2016/06/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 著者の主張をわかりやすくまとめた一冊。イラストもふんだんに盛り込まれていてソフトなイメージだが、書かれて…
服従 作者: ミシェルウエルベック,佐藤優,大塚桃 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/09/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (29件) を見る 「既存の社会制度の中で生き、それを享受してきた人間にとって、そのシステムに期待するものが何も…
「野党」論: 何のためにあるのか (ちくま新書) 作者: 吉田徹 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/07/05 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る 個別の政党を論じたものはあるが、「野党」全般を正面から取り上げて、その意義を大真面目に論…
迷走する民主主義 (ちくま新書) 作者: 森政稔 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/03/07 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 前著『変貌する民主主義』は良い本だった。民主主義という「捉えどころのないもの」へ多角的に光を当てて、そ…
代議制民主主義 - 「民意」と「政治家」を問い直す (中公新書) 作者: 待鳥聡史 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2015/11/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (15件) を見る 以前から思っていることだが、中公新書の質の高さは本当に素晴らしい。…
善と悪の経済学 作者: トーマス・セドラチェク,村井章子 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2015/05/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 著者のセドラチェクは、1977年チェコ生まれというから、まだ30代の経済学者。大学在学中の…
集団的自衛権はなぜ違憲なのか (犀の教室) 作者: 木村草太,國分功一郎 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2015/08/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (7件) を見る 安保法制審議もいよいよ大詰めだが、今さら何がどうなっているのか…
アメリカ様 (ちくま学芸文庫) 作者: 宮武外骨 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/02/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る 「アメリカ様」「筆禍史」の2篇が収められている。タイトルにもなっている「アメリカ様」は、終戦間もない19…
謎の独立国家ソマリランド 作者: 高野秀行 出版社/メーカー: 本の雑誌社 発売日: 2013/02/19 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 42回 この商品を含むブログ (63件) を見る これほど評判になり、面白いといろんなところで太鼓判を押されている本を紹介す…