自治体職員の読書ノート

自治体で働く活字中毒者が、読んだ本を紹介します。普段の読書の紹介はインスタで。

3月に読んだ本のベスト3を選ぶ

順番は読んだ順です。 では、始めます。 1 ケン・リュウ『紙の動物園』 紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1) 作者:ケン リュウ 発売日: 2017/04/06 メディア: 文庫 現代SFというより、小説のひとつの到達点かと。 2 こうの史代『この世界の片隅に』 こ…

1月と2月に読んだ本から、それぞれベスト3を選んでみる

ごぶさたしております。 読書記録をインスタに移行してしばらく経ちました。 相変わらずいろいろ本を読んでいるところです。 1月、2月とも、ほぼ1日一冊ペースで読んでいました。 そこで、各月のベスト3を選んでみたいと思います。 なお順番は「読んだ順…

読書のための10の方針

1 読書には2種類ある。手段としての読書と、目的としての読書。手段としての読書は高速に進入し、高速に離脱する。目的としての読書は、むしろ本のもっている周波数にシンクロすることを意識する。以下は「目的としての読書」について書く。 2 本は食事の…

吾峠呼世晴『鬼滅の刃』を勝手に読み解いてみます

鬼滅の刃 23 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:吾峠呼世晴 発売日: 2020/12/04 メディア: Kindle版 吾峠呼世晴『鬼滅の刃』の勢いが止まりません。 コミックスは累計一億部を突破。映画の興行収入は歴代一位をすでに背中に捉え、コラボやグッズもいたるとこ…

【本以外】角川武蔵野ミュージアムに行ってきました

昨日オープンした「角川武蔵野ミュージアム」に行ってきました。東所沢駅から10分程歩くと、突然あらわれる偉容に度肝を抜かれます。隈研吾デザインの建物は、巨大な岩石が空から降ってきたかのよう。敷地内にはナゾの鳥居とのぼり旗。近寄ると・・・なんじ…

【2575冊目】ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』

海底二万里 上 (角川文庫) 作者:ジュール・ヴェルヌ,渋谷 豊 発売日: 2016/07/23 メディア: Kindle版 海底二万里 下 (角川文庫) 作者:ジュール・ヴェルヌ,渋谷 豊 発売日: 2016/07/23 メディア: Kindle版 小学生の頃、児童書のダイジェスト版で読んで以来の…

【2574冊目】児玉真美『私たちはふつうに老いることができない』

私たちはふつうに老いることができない: 高齢化する障害者家族 作者:児玉 真美 発売日: 2020/05/25 メディア: Kindle版 このタイトルが「刺さる」人は、おそらく障害者の親かその関係者だろう。障害当事者にさえなかなか光が当たらない中、「障害者の親」の…

【2573冊目】伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書) 作者:伊藤 亜紗 発売日: 2015/05/15 メディア: Kindle版 「目が見えない」とはどういうことか。目が見える人の感覚要素から「視覚」を引いただけ、ではない。それは「目が見える人とは別の世界」を生き…

【2572冊目】星新一『ボッコちゃん』

ボッコちゃん(新潮文庫) 作者:星 新一 発売日: 2013/03/01 メディア: Kindle版 こないだnoteにもアップしたが、久しぶりに読み返したので、コチラにも。中身はほぼ一緒です。 読んだのは中学生のころだっただろうか。当時はほとんどの本を図書館で借りてい…

【2571冊目】吉田伸夫『時間はどこから来て、なぜ流れるのか?』

時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 (ブルーバックス) 作者:吉田 伸夫 発売日: 2020/01/15 メディア: 新書 映画『TENET』があまりにワケわからなかったので、時間論の本でも読めば少しは理解が進むかと思っ…

【2570冊目】借金玉『発達障害サバイバルガイド』

発達障害サバイバルガイド――「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47 作者:借金玉 発売日: 2020/07/30 メディア: Kindle版 サバイバルガイドというと、なんだかジャングルにでも行くみたいだが、本書の舞台は普段の仕事や生活そのもの。だ…

【2569冊目】サマセット・モーム『雨・赤毛 他一篇』

雨/赤毛―他一編 (岩波文庫 赤 254-1) 作者:サマセット・モーム メディア: 文庫 こないだ『月と六ペンス』を読んでモームが気になったので、だいぶ前から持っているやつを引っ張り出してきた。1962年初版の岩波文庫版だが、どうやらすでに絶版らしい。「土人…

【2568冊目】山内一也『ウイルスの世紀』

ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか 作者:山内一也 発売日: 2020/08/28 メディア: Kindle版 数十年にわたりエマージングウイルスを研究してきた著者による「集大成」の一冊。そこに新型コロナウイルスのパンデミックが重なったことは、思えばなんとい…

【2567冊目】吉野裕子『ダルマの民俗学』

ダルマの民俗学―陰陽五行から解く (岩波新書) 作者:吉野 裕子 発売日: 1995/02/20 メディア: 新書 ダルマといえば知らない人はいない、赤くてギョロ目のあの物体だ。そのモデルが禅の始祖、達磨大師であることはよく知られているが、では、なぜかつて実在し…

【2566冊目】佐藤優『人たらしの流儀』

人たらしの流儀 (PHP文庫) 作者:佐藤 優 発売日: 2013/03/05 メディア: 文庫 タイトルはキャッチー、というか露悪的だが、中身は人間関係構築のための具体的なノウハウ。というか、われわれが人間関係を築きたいと思う時って、たいていホンネでは「人たらし…

【2564・2565冊目】劉慈欣『三体』『三体2 黒暗森林』

三体 作者:劉 慈欣 発売日: 2019/07/04 メディア: Kindle版 三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 慈欣 発売日: 2020/06/18 メディア: Kindle版 三体Ⅱ 黒暗森林(下) 作者:劉 慈欣 発売日: 2020/06/18 メディア: Kindle版 久しぶりにSFを読んだら、とんでもない…

【2563冊目】デイヴィッド・ベインブリッジ『中年の新たなる物語』

中年の新たなる物語 (動物学、医学、進化学からのアプローチ) 作者:デイヴィッド ベインブリッジ 発売日: 2014/11/22 メディア: 単行本 中年って何だろう。 私やあなたは「中年」だろうか? 少なくとも、こんなタイトルの本を手に取って読んでしまった私は、…

【2562冊目】中島岳志『親鸞と日本主義』

親鸞と日本主義 (新潮選書) 作者:中島岳志 発売日: 2017/08/25 メディア: 単行本 「他力本願」「悪人正機」で知られ、「南無阿弥陀仏」と唱えれば救われると説いた親鸞。その教えが戦前の皇国史観と結びついたというのはなんとも意外だが、本書を読めば、そ…

【2561冊目】蔭山宏『カール・シュミット』

カール・シュミット-ナチスと例外状況の政治学 (中公新書) 作者:蔭山 宏 発売日: 2020/06/22 メディア: 新書 新型コロナウイルスをめぐっては、これまで見られなかったような形で、国や自治体のトップの「決断」が注目された。日常とかけ離れた環境で、確た…

【2560冊目】ピエール・ルメートル『監禁面接』

監禁面接 作者:ルメートル,ピエール 発売日: 2018/08/30 メディア: 単行本 企業の人事部長まで務めたアラン。50代でリストラされ、再就職の望みもかなわないまま、はや4年。アルバイトで食いつなぎつつエントリーした一流企業で、思いがけず最終試験に残…

【2559冊目】本田秀夫『発達障害』

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書) 作者:本田 秀夫 発売日: 2018/12/06 メディア: 新書 発達障害と一口に言っても、自閉スペクトラム(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などさまざまなタイプがある。そうした様々なタイプの…

【2558冊目】高田衛『八犬伝の世界』

八犬伝の世界―伝奇ロマンの復権 (中公新書 595) 作者:高田 衛 メディア: 新書 『南総里見八犬伝』を読み解いた一冊。2005年、ちくま学芸文庫で「完本」が刊行されたらしいが、今回読んだのは、古書店で入手した1980年刊行の中公新書。だいぶ内容が組み替わっ…

【2557冊目】小松左京『題未定』

題未定怪奇SF (文春文庫) 作者:小松 左京 発売日: 2012/09/20 メディア: Kindle版 ヘンな小説である。連載のタイトルが決まらないと悩んでいる作家(著者自身)のところに手紙が届くのだが、それがどれも「連載されている小説」についての感想なのである。…

【2556冊目】編集工学研究所『探究型読書』

探究型読書 作者:編集工学研究所 発売日: 2020/08/12 メディア: Kindle版 著者が「編集工学研究所」となっているが、ベースになっているのは所長である松岡正剛の読書法。読書を読前・読中・読後の3つのフェーズに分けて、それぞれの段階ごとに行うべき内容…

【2555冊目】原田マハ『たゆたえども沈まず』

たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫) 作者:原田マハ 発売日: 2020/04/08 メディア: Kindle版 「いちばん描きたいものをあえて中心に描かずに、その周辺を描くことで、見る者に連想を促し、主題を浮かび上がらせる」 本書の主人公フィンセント・ファン・ゴッホが…

【2554冊目】團伊玖磨『パイプのけむり』

パイプのけむり (朝日文庫 だ 1-1) 作者:團 伊玖磨 メディア: 文庫 13年にわたり書かれた名エッセイの、文庫版第一冊。第一作の「ハンドバッグ」は、女性のハンドバッグの中身が男性にとっては神秘の領域であることを的確かつユーモラスに綴っている。書かれ…

【2553冊目】マイケル・ルイス『マネーボール』

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男 作者:マイケル・ルイス 発売日: 2004/03/18 メディア: 単行本 野球を題材にしたビジネス書としても有名な一冊。本書の「主人公」ビリー・ビーンらは、常識に囚われないこと、データをもとに合理的に考察し、実践に…

【本以外】映画『TENET』を観てきました

観終わった直後の感想は、次の2つ。 「????????????」 「!!!!!!!!!!!!」 時間が流れる川のようなものだと考えれば、タイムマシンが出てくるような「時間遡行モノ」は、いわば川の下流から上流まで移動するようなもの。移動した後は…

【2552冊目】山口つばさ『ブルーピリオド』

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス) 作者:山口つばさ 発売日: 2017/12/22 メディア: Kindle版 マンガ大賞を受賞した話題作というのは知っていたが、読んでみたら予想以上。「美術」をテーマにした学生群像劇という点では『のだめカンタービレ』…

【2551冊目】加藤徹『貝と羊の中国人』

貝と羊の中国人 (新潮新書) 作者:加藤 徹 発売日: 2006/06/16 メディア: 新書 京劇の研究が専門という著者による中国論。緻密というよりむしろラフスケッチ風なのだが、中国のような巨大で複雑な相手を扱うとなると、このくらい大雑把なほうが全体像をつかみ…