【2721冊目】燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』
「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン43冊目。
実はこの本、単行本で一度読んでいる。チープすぎて「読書ノート」に取り上げる気にもならなかったのだが、まさか「新潮文庫の100冊」に選ばれ、読み返すことになろうとは。
ただ、二度目の読後感は、最初ほど悪くはなかった。あの時代(ちなみに著者と私はほぼ同年代)のガジェットがいろいろ出てきて懐かしいし、著者なりに感じてきた切実さやせつなさのようなものを書き残しておこう、という気持ちも感じた。
ただ、印象としてはやはり、薄い。ライトノベルというより、少し前にはやったケータイ小説に近い。独特のリリカルな文章はそれなりの雰囲気と味わいがあるが、深みや奥行きは感じられない。あえていうなら、良くも悪くも、ポップスの恋愛ソングの小説化、あるいは民放の恋愛ドラマの小説版、というのが一番近いかもしれない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!