自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

【2831冊目】アランナ・コリン『あなたの体は9割が細菌』

 

 

本書は人体内部の「細菌」を主人公とした一冊です。人間の体質や行動、病気を決めているのは、DNAよりむしろ共生する細菌たちだった、というショッキングな内容ですが、大変面白く読めました。

 

中でも一番びっくりしたのは、自閉症をめぐるケース。耳の感染症を治すための抗生物質の投与が腸内細菌のバランスを乱し、神経毒素を発生させる破傷風菌が体内で増殖したため、自閉症が「発症」したというのです。そして、適切な抗生物質の投与で破傷風菌を退治したところ、自閉症の症状が全快したというから驚きです。

 

出産をめぐるエピソードも意味深でした。赤ちゃんは産道を通り抜ける間に、母親から微生物の「プレゼント」を受け取ります。また、母乳もさまざまな細菌が含まれていて、赤ちゃんの健全な体内環境を作り上げるというのです。では、帝王切開で生まれたり、粉ミルクで育てられた赤ちゃんは大丈夫なのでしょうか? 気になる方は、ぜひ本書をお読みください。

 

他にもいろいろ気になるトピックがあったのですが、今日はちょっと疲れたのでこのへんで。これくらいの長さも、たまにはいいでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!