自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【2501冊目】後藤好邦『自治体職員をどう生きるか』

自治体職員をどう生きるか 作者:後藤好邦 発売日: 2019/12/26 メディア: Kindle版 検索してもKindle版しか出てこない。なぜだろう。 著者の名前は初めて知ったのだが、ギョーカイでは有名な方なのだろうか。山形市の職員であり、東北オフサイトミーティング…

【本以外】コロナ対策雑考メモ

早くもというか、ようやくというか、緊急事態宣言が全国で解除された。 日本のコロナ対策については、ずっといろいろ思うところがあったのだが、このタイミングでちょっと吐き出しておこうと思う。とはいっても、ロジカルな文章にまとめる気力がないので、徒…

noteで新しい企画をはじめました

2500冊目という節目を迎えて、新たな企画をスタートしました。 noteのほうに、これまで読んだ本をベースに「おすすめブックリスト」を発表していきたいと思います。とりあえず4つアップしましたので、気になる方は覗いてみてください。そして、もっといい本…

【2500冊目】オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』

弓と禅 作者:オイゲン・ヘリゲル 発売日: 1981/11/01 メディア: 単行本 弓の名人、阿波研造のもとで5年にわたり弓道を学んだドイツ人著者が、その体験を記した一冊。西洋の論理や合理にどっぷり漬かった著者(実は著者のヘリゲル氏、新カント学派を主に教え…

【2499冊目】福島香織『ウイグル人に何が起きているのか』

ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在 (PHP新書) 作者:福島 香織 発売日: 2019/06/19 メディア: 新書 ナチス・ドイツのユダヤ人大量虐殺が明らかになったのは、戦争が終わってからだった。もし戦時中からアウシュヴィッツの存在が知られてい…

【2498冊目】ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド『FACTFULNESS』

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド 発売日: 2019/01/11 メディア: 単行本 今や「フェイクニュース」なんて言葉が登場し…

【2497冊目】沢木耕太郎『テロルの決算』

新装版 テロルの決算 (文春文庫) 作者:沢木 耕太郎 発売日: 2008/11/07 メディア: 文庫 昭和35年10月12日、社会党委員長浅沼稲次郎が、日比谷公会堂演壇上で刺殺された。加害者は当時17歳の山口二矢。本書はこの衝撃的な事件に至る流れを、浅沼、山口の両面…

【2496冊目】金原ひとみ『アタラクシア』

アタラクシア 作者:金原 ひとみ 発売日: 2019/05/24 メディア: 単行本 アタラクシアとは、なんと皮肉なタイトルか。哲人エピクロスによれば、これは「外界からわずらわされない、激しい情熱や欲望から自由な、平静不動の心のさま」をいう(「コトバンク」よ…

【2495冊目】吉田洋一『零の発見』

零の発見―数学の生い立ち (岩波新書) 作者:吉田 洋一 発売日: 1986/11/01 メディア: 新書 数学エッセイの元祖のような一冊だ。われわれが数学や算数で当たり前と思っていること、例えば数字の書き方(記数法)などのルールが、実は決して「当たり前」ではな…

【2494冊目】マイケル・バード『ゴッホはなぜ星月夜のうねる糸杉をえがいたのか』

ゴッホはなぜ星月夜のうねる糸杉をえがいたのか 作者:マイケル・バード 発売日: 2018/06/23 メディア: 単行本 タイトルだけ見れば、ほぼ全員がゴッホの本だと思うだろう。確かにゴッホも出てくるが、それは本書に登場する68のアーティストのうちの一人にす…

【2493冊目】岡崎京子『うたかたの日々』

うたかたの日々 作者:岡崎 京子 メディア: 単行本 ボリス・ヴィアンの幻想的で悲痛な恋愛小説を漫画化するという、考えようによっては暴挙としかいいようのない企画だが、描き手が岡崎京子というのが、蓋を開けたらぴったりハマっている。というか、ヴィアン…

【2492冊目】河上肇『貧乏物語』

貧乏物語 (岩波文庫 青132-1) 作者:河上 肇 発売日: 1965/10/16 メディア: 文庫 タイトルは「物語」とあるが、今で言えば「貧困論」。まだ「貧困」という言葉が使われてさえいなかった大正5年の日本で顕在化しつつあった「貧乏」と格差の問題を熱く論じた一…

【2491冊目】車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』

赤目四十八瀧心中未遂 作者:車谷 長吉 発売日: 2001/02/09 メディア: 文庫 「私」は、部屋で臓物をさばき、鳥の肉を串に刺し続ける。1本3円で、1日に千本。1日2回、さいちゃんという若者ができた分を取りに来る。向かいの部屋からは人のうめき声が聞こ…

【2490冊目】小川洋子『小箱』

小箱 作者:小川 洋子 発売日: 2019/10/07 メディア: 単行本 不在の物語。 「私」が住んでいるのは、以前幼稚園だった建物だ。お遊戯室の壁に貼られたカードからフックに1つだけ残された園児の帽子までが、そこにはそのまま残されている。そして、講堂には、…

【2489冊目】河合隼雄『家族関係を考える』

家族関係を考える (講談社現代新書) 作者:河合 隼雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1980/09/18 メディア: 新書 なんと40年ほど前に書かれた本。家庭内暴力や非行がクローズアップされている一方、今なら家族の「症状」として外せないであろうひきこもりや…

【2488冊目】塚本邦雄『茂吉秀歌「赤光」百首』

茂吉秀歌『赤光』百首 (講談社文芸文庫) 作者:塚本 邦雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/11/08 メディア: 文庫 「写生」「写実」で知られる近代短歌の巨人、斎藤茂吉の『赤光』を、前衛短歌の雄、塚本邦雄が解説する。短歌界の異種格闘技戦のような一…

【2487冊目】吉村昭『高熱隧道』

高熱隧道 (新潮文庫) 作者:吉村 昭 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1975/07/29 メディア: 文庫 隧道とはトンネルのこと。トンネル工事、舞台は黒部、といっても「黒部の太陽」とは時代が違う。昭和11年から15年にかけて行われた黒部第三発電所工事である。…

【2486冊目】松本俊彦『自分を傷つけずにはいられない』

自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント 作者:松本 俊彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/02/18 メディア: 新書 Q1 リストカットなどの自傷をするなんて、どうせごく一部の人の問題でしょ? A1 違います。10代の若者に限っ…

【2485冊目】井村雅代『シンクロの鬼と呼ばれて』

シンクロの鬼と呼ばれて (新潮文庫) 作者:井村 雅代,松井 久子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/10/28 メディア: 文庫 日本で6大会、中国で2大会、そしてふたたび日本で1大会。著者は、なんと9回のオリンピックでシンクロ選手にメダルを取らせてき…

【2484冊目】塩浜克也・米津孝成『疑問をほどいて失敗をなくす 公務員の仕事の授業』

疑問をほどいて失敗をなくす 公務員の仕事の授業 作者:塩浜 克也,米津 孝成 出版社/メーカー: 学陽書房 発売日: 2019/12/10 メディア: 単行本 役所に限らず、どんな職場でも「最初の先輩」はたいせつだ。特に新人職員にとっては、社会人のイロハや組織のルー…

【2483冊目】上橋菜穂子『精霊の守り人』

精霊の守り人 (新潮文庫) 作者:上橋 菜穂子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/03/28 メディア: 文庫 言わずと知れた、現代日本に生まれた傑作異世界ファンタジー「守り人シリーズ」の第一作である。 ちょうどこの本が出たころはファンタジーから遠ざか…

【2482冊目】ヴィクトル・ユゴー『死刑囚最後の日』

死刑囚最後の日 (岩波文庫 赤 531-8) 作者:ヴィクトル・ユーゴー 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1982/06/16 メディア: 文庫 死刑廃止を訴えるのに、若き日の文豪ユゴーが選んだ方法は、一人の死刑囚の最後の一日を克明に記すことだった。余計な要素をギ…

【2481冊目】一柳廣孝・久米依子『ライトノベル研究序説』

ライトノベル研究序説 作者:一柳 廣孝,久米 依子 出版社/メーカー: 青弓社 発売日: 2009/04/01 メディア: 単行本 未踏の原野が広がっている。ライトノベルという名の原野である。 私が中学生~高校生の頃は、そもそもライトノベルという名前自体がなかった。…

【2480冊目】今西錦司『生物の世界』

生物の世界 (講談社文庫) 作者:今西 錦司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1972/01/15 メディア: 文庫 1941年に「遺書のつもりで」書いたという、今西錦司最初の生物学系の本。本当に大事なこと、本当に必要なことだけを絞り込み、急き立てるように論を展開…

【2479冊目】小此木啓吾『対象喪失』

対象喪失―悲しむということ (中公新書 (557)) 作者:小此木 啓吾 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1979/11/21 メディア: 新書 死別、離婚、失恋。大切な人との別れは人生につきものだ。そんな時、人はどのようにして悲しみを乗り越えるのかについて、…

【2478冊目】川上未映子『ヘヴン』

ヘヴン (講談社文庫) 作者:川上 未映子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/05/15 メディア: 文庫 苛め(著者は「いじめ」でも「イジメ」でもなく「苛め」と書く)を扱った小説ということは知っていた。たしかに、かなりひどい苛めの描写が頻繁に登場する…

【2477冊目】クリス・クラッチャー『ホエール・トーク』

ホエール・トーク 作者:クリス クラッチャー 出版社/メーカー: 青山出版社 発売日: 2004/04 メディア: 単行本 主人公のT・Jは黒人と白人と日系の混血で、IQ高くスポーツ万能、ドラック中毒の母親から引き離されて養父母のもとで育てられている高校生。通…

【2476冊目】手塚治虫『鉄の旋律』

鉄の旋律―The best 3 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫) 作者:手塚 治虫 出版社/メーカー: 秋田書店 発売日: 1994/03/01 メディア: 文庫 「黒手塚」全開の短編3本を収録した一冊。手塚治虫のダークサイド。 「鉄の旋律」は、冒頭こそゴッドファーザーの漫…

【2475冊目】福田ますみ『モンスターマザー』

モンスターマザー: ―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い― (新潮文庫) 作者:福田 ますみ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/01/27 メディア: 文庫 いやあ、怖い本だった。読んでいて思い出したのは『黒い家』だが、あちらは小説。本書はノン…

【2474冊目】髙橋秀実『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫) 作者:高橋 秀実 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/02/28 メディア: 文庫 驚くべき一冊。これは野球の革命だ。練習は週1回。試合ではサインは出さない。エラーはあって当たり前。それより勢…