自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【本以外】選挙事務を終えて

たまには雑談的に。選挙のことなど。

 

この「読書ノート」をお読みの方はご存知だろうが、選挙事務を担っているのは区市町村の職員である。それは国政選挙だろうが、今回のように知事選だろうが同じこと。地方自治法別表の「法定受託事務リスト」を見ていただければ、最初の方に「公職選挙法」が出てくる。ちなみに費用も国持ちだが、最近はだいぶ削られているとか、いないとか。

 

自治体によっても違うかもしれないが、この選挙事務がなかなかハードなのだ。今回の都知事選で言えば、前日の午前中に半日かけて会場設営。ウチの会場は小学校の体育館なので、土足で入れるよう床にロールを敷いたり、机を並べたりする。埃っぽい体育館の地下倉庫から机を20脚も運び出すと、もう汗だくである。バリアフリーではないので、出入り口の階段にスロープを設置する必要もある。

 

午後はいったん帰宅(この間に選管のチェックが入る)。翌日は朝4時起床、5時出発。6時までに、選管事務所へ投票用紙や選挙人名簿などを取りに行かなければならないのだ。交通手段は自家用車。区役所で別の職員とも合流し、2人で投票所まで移動する(自家用車の場合は2人以上で運ぶことになっている)。

 

会場に到着すると6時20分くらい。6時半までには全職員(といっても8人くらい)が集合し、看板を出したり投票用紙をセットしたりと、7時の開場に向けて最後の仕上げ。投票立会人や投票管理者の方々(これはたいてい地元の町内会の方がやってくださっている)が来られたら席に案内。そうそう、警察官もね。警察官は投票が終わるまで、選挙会場にずっと待機してくださっているのだ。

 

7時開場。時報を確認し、投票管理者の合図とともにカランカランと鐘を鳴らす。昭和の時代から全く変わらぬやり方である。すでに待っていた10人ほどを誘導。最初の2人には、投票箱がカラであることを確認してもらわなければならないので、その旨を説明する(空虚確認という)。2人と投票管理者・立会人が確認したら、はじめて投票箱のカギを閉めるのだ。

 

あとはひっきりなしに来られる有権者のみなさまの誘導、整理。今回はコロナ対策で間隔を広めに取ってもらったので、すぐに行列が体育館の外まではみ出してしまう。途中からは雨も降りだす中、傘をさしてお待ちいただくのは心苦しい限り。でも、一件も苦情がなかったのは一安心。われわれはその手のクレームには慣れているが、イライラして怒鳴りだすような人がいると、周りの雰囲気まで険悪になるからね。

 

休憩は交代で取る。1回15分程度を午前1回、午後1回。あとは昼食休憩、夕食休憩がそれぞれ30分くらい。学校事務の方が、休憩用の空き教室にお湯を用意し、インスタントのお茶やコーヒーを置いてくださっている。感謝。食事は弁当。以前は出前を取っていたらしいが、その店はつぶれてしまったとのこと。コロナの影響だろうか。心配だ。

 

それ以外は、定期的に選管に投票者数を報告したり、ときどき来られる視覚障害のある方や車椅子の方の誘導を手伝ったり、雨が降ってきたら傘袋やポリバケツを用意したりモップで床を拭いてすべらないようにしたり、暗くなったら外に誘導灯を置いたり、今回限りかもしれないが記載台や筆記具の消毒作業などに追われたりしていると、あっという間に午後8時。やはり時報を確認し、1分前から鐘を鳴らし、時間ジャストで入口を閉める。以前は1分ほど遅れてきた方が投票させろと強硬におっしゃったこともあったが、今回は2分ほど前に駆け込んできた方がおられたくらいで一安心。学校の敷地内に8時までに入っていたら投票させなければならないが、入口が2か所あってどちらも体育館からは見えづらいので、滑り込みの方への対応はけっこう大変だ。

 

終わったら座る間もなく投票箱を施錠、投票用紙の残り枚数を確認、カウンターと照合してその日の投票者数を確定、選管に報告。タクシーが来ているので投票箱や名簿、パソコンを積み込む。私はタクシーには乗らないが、開票事務があるので片づけを途中で切り上げてダッシュで車へ。8時20分。8時50分までには開票所にいなければならぬ。飛ばしたいところだが、学校近くの道は狭く、暗い。以前の選挙では電柱にサイドミラーをこすってしまったことがある。サイドミラーくらいならいいが、事故を起こしたらシャレにならん。急いでゆっくり運転しつつカーラジオをON。出口調査で再選確実との報を聞き、これからの作業のむなしさを思う。

 

開票所の駐車場に到着。以前は駐車場が満杯で近くのコインパーキングを借りたが、今回は停められた。よかった。会場にはすでにたくさんの職員が。開票から加わる人もいて元気そうだ。投票所から駆け付けた職員はみな疲れた表情だが、そうも言っていられない。さあ、第2ラウンドだ。

 

これも今回からの措置で、手袋を着用。指先にぴったり吸い付くようなタイプだが、それでも一枚一枚分けて確認するのは骨が折れそうである。8時50分、開票開始。30分くらいは椅子に座れず立ち作業となる。詳細はここには書けないが、業務が終わった職員から順次解散。私が解放されたのは10時50分くらいで、これはかなり早い方。国政選挙だと日をまたぐこともめずらしくない。まあ、それでも徹夜続きの選管職員に比べれば楽だと思う。本当にお疲れ様。

 

車に乗り込み、帰路へ。眠気がヤバいので途中でコンビニに寄りエナジードリンクを購入。止んでいた雨もまたザンザン降ってくる。0時20分、帰宅。身体をさっと拭き、そのままベッドへ。明日はもちろん通常勤務。

 

若い頃はそれでも平気だったが、最近はさすがにこたえる。報酬より、やっぱり土日は休みたい。早く電子投票にならないかなあ。それなら開票は1秒で終わるのに。