自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【2523・2524冊目】ロルフ・ドベリ『Think clearly』『Think smart』

 

 

 

Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法

Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法

 

 

サンマーク出版らしからぬ、抽象的なタイトルにシンプルなデザインが何かを期待させる。文章は読みやすく明快で、翻訳もすばらしい。さて、肝心の中身はどうだろうか。

「clearly」は、生き方指南、仕事指南的な内容がメインである。一般的にはビジネス書、自己啓発書のジャンルに入るのだろうが、無責任に無謀なチャレンジを進めるのではなく、どちらかというと堅実で失敗のない人生を良しとしている印象だ。自分の「能力の輪」を知り、その中で勝負すること、あるいは「尊厳の輪」で自分が何に価値を置いているかを自覚することなど、自己覚知を求めるくだりが多い。

「smart」のほうは、認知心理学行動経済学などの知見がまとめられている。ダニエル・カーネマンやダン・アリエリーなどの本を読んだことがあれば、ほとんどのパートに既視感があることだろう。そうした本に手を伸ばすのが面倒な方は、本書でそのエッセンスを知ることができる。まあ、個人的には、こういう「まとめサイト」のような本はあくまで入口として位置付けるべきであって、ここからいろんな本につなげていったほうが良いと思う。幸い、この2冊にはいずれも「付録」として、引用元となった文献や補足的な解説がしっかり載っているので、参考にするとよいだろう。

「clearly」のほうについては、それほど既視感は覚えなかったが、それは私がこれまで自己啓発書の類をあまり読んでこなかったからなのだろう。ウォーレン・バフェットがこうしている、と言われても、バフェットみたいな投資家になって成功したいとそもそも思っていないので、あまりピンとこない。それでも、なるほどと思わせられる指摘もいくつかあり、その元ネタも知ることができたのは収穫だった。

とはいえ、コチラは付録を見てもあまりそそられる本がないので、そもそも私自身がこうしたジャンルにあまり興味がないのだろう。自分の興味が及ばない本って、当たり前だがなかなか手に取るチャンスがないのだが、そういう意味では今回の読書は良い経験になったと思う。