自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

noteで新しい企画をはじめました

2500冊目という節目を迎えて、新たな企画をスタートしました。 noteのほうに、これまで読んだ本をベースに「おすすめブックリスト」を発表していきたいと思います。とりあえず4つアップしましたので、気になる方は覗いてみてください。そして、もっといい本…

【2500冊目】オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』

弓と禅 作者:オイゲン・ヘリゲル 発売日: 1981/11/01 メディア: 単行本 弓の名人、阿波研造のもとで5年にわたり弓道を学んだドイツ人著者が、その体験を記した一冊。西洋の論理や合理にどっぷり漬かった著者(実は著者のヘリゲル氏、新カント学派を主に教え…

【2499冊目】福島香織『ウイグル人に何が起きているのか』

ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在 (PHP新書) 作者:福島 香織 発売日: 2019/06/19 メディア: 新書 ナチス・ドイツのユダヤ人大量虐殺が明らかになったのは、戦争が終わってからだった。もし戦時中からアウシュヴィッツの存在が知られてい…

【2498冊目】ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド『FACTFULNESS』

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド 発売日: 2019/01/11 メディア: 単行本 今や「フェイクニュース」なんて言葉が登場し…

【2497冊目】沢木耕太郎『テロルの決算』

新装版 テロルの決算 (文春文庫) 作者:沢木 耕太郎 発売日: 2008/11/07 メディア: 文庫 昭和35年10月12日、社会党委員長浅沼稲次郎が、日比谷公会堂演壇上で刺殺された。加害者は当時17歳の山口二矢。本書はこの衝撃的な事件に至る流れを、浅沼、山口の両面…

【2496冊目】金原ひとみ『アタラクシア』

アタラクシア 作者:金原 ひとみ 発売日: 2019/05/24 メディア: 単行本 アタラクシアとは、なんと皮肉なタイトルか。哲人エピクロスによれば、これは「外界からわずらわされない、激しい情熱や欲望から自由な、平静不動の心のさま」をいう(「コトバンク」よ…

【2495冊目】吉田洋一『零の発見』

零の発見―数学の生い立ち (岩波新書) 作者:吉田 洋一 発売日: 1986/11/01 メディア: 新書 数学エッセイの元祖のような一冊だ。われわれが数学や算数で当たり前と思っていること、例えば数字の書き方(記数法)などのルールが、実は決して「当たり前」ではな…

【2494冊目】マイケル・バード『ゴッホはなぜ星月夜のうねる糸杉をえがいたのか』

ゴッホはなぜ星月夜のうねる糸杉をえがいたのか 作者:マイケル・バード 発売日: 2018/06/23 メディア: 単行本 タイトルだけ見れば、ほぼ全員がゴッホの本だと思うだろう。確かにゴッホも出てくるが、それは本書に登場する68のアーティストのうちの一人にす…

【2493冊目】岡崎京子『うたかたの日々』

うたかたの日々 作者:岡崎 京子 メディア: 単行本 ボリス・ヴィアンの幻想的で悲痛な恋愛小説を漫画化するという、考えようによっては暴挙としかいいようのない企画だが、描き手が岡崎京子というのが、蓋を開けたらぴったりハマっている。というか、ヴィアン…

【2492冊目】河上肇『貧乏物語』

貧乏物語 (岩波文庫 青132-1) 作者:河上 肇 発売日: 1965/10/16 メディア: 文庫 タイトルは「物語」とあるが、今で言えば「貧困論」。まだ「貧困」という言葉が使われてさえいなかった大正5年の日本で顕在化しつつあった「貧乏」と格差の問題を熱く論じた一…

【2491冊目】車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』

赤目四十八瀧心中未遂 作者:車谷 長吉 発売日: 2001/02/09 メディア: 文庫 「私」は、部屋で臓物をさばき、鳥の肉を串に刺し続ける。1本3円で、1日に千本。1日2回、さいちゃんという若者ができた分を取りに来る。向かいの部屋からは人のうめき声が聞こ…