自治体職員の読書ノート

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

【2725冊目】柚木麻子『BUTTER』



新潮文庫1002021」全冊読破キャンペーン47冊目。


男たちに取り入って財産を奪い、殺害したとされる獄中の梶井真奈子。その独占インタビューを実現しようとするが、次第に梶井に取り込まれていく里佳。その親友でかつては敏腕記者、今は専業主婦となった伶子。3人の女たちをめぐるドラマを描いた迫真の一冊です。


著者の本を読むのは本書が初めてでしたが、もっとライトな作風というイメージがあったので、こんな迫力のある小説とは思いませんでした。特に女性読者にとっては、三人の女性を通じて、自身の生き方を根底から問い直すような作品になっているのではないでしょうか。一方、男性の登場人物はいささか薄く、「女性から見た男性」にとどまってしまっているのは否めません。男性作家が描く女性も、逆の立場からはそう見えているのでしょうね。


そして、本書に別の意味でのリアルさを与えているのは、料理の描写です。ロブションの最高級フランス料理や料理教室で作る豪華な料理から、夜中に食べるバターラーメンや落ち込んだときのホットケーキ、さらにはバター醤油かけご飯やたらこパスタまで、とにかくどれも美味しそう! 本書は「食べる」ことが大きなテーマとなっていますが、読むだけでお腹が空く一冊でもあります。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!