自治体職員の読書ノート

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

【2722冊目】杉浦日向子『一日江戸人』


新潮文庫1002021」全冊読破キャンペーン44冊目。


漫画家にして江戸文化案内人の著者による、イラスト付き「江戸ガイド」。江戸人たちの生活事情をリアルに解説し、居ながらにして江戸の生活を感じられる一冊だ。取り上げられているトピックはファッション、食べ物、長屋の間取り、ナンパの仕方から遊び方まで多種多様。


なんとも羨ましいのが、江戸人の仕事ぶり。江戸の庶民の多くは「月の半分」も働けば家族を養うことができたという。しかも、お金に困れば外に出て「米つこうか、薪割ろか、風呂焚こうか」と呼ばわれば、すぐにバイトにありつけたそうである。


「食」では、有名な「豆腐百珍」などのレシピも興味深いが、おもしろいのは「大食会」という大食いイベント。なんと「酒一斗九升五合、せんべい二百枚、飯六十八杯」という記録も残っているらしく、まさに現代の爆食い番組の先駆けだ。


風俗では、ナンパや吉原遊びに加えて「春画」が二章にわたって取り上げられており、その奥深さを堪能できる。だいたい当時は、北斎も京伝も、名の知れた画家や作家の多くが春画や春本を手がけており、みんな分け隔てなく楽しんでいたのだ。う〜ん、なんとも健全。江戸時代、いい時代である。


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