【2708冊目】畠中恵『しゃばけ』
「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン30冊目。
もう何冊でているのかわからない「若だんな」シリーズの第一作です。江戸時代を舞台に、妖怪が見えてしまう虚弱体質の「若だんな」の活躍と成長を描く時代+妖怪+ミステリです。
『ゲゲゲの鬼太郎』から『妖怪ウォッチ』まで、日本人はホントにこういうのが好きなんですねえ。本書に出てくる妖怪たちも、助さん格さんポジションの犬神に白沢、小鬼のような鳴家に鈴の音と現れる鈴彦姫など、あまりシリアスにならず、むしろみごとにキャラクター化しています。
だが、それを言えば本書でも重要な役割を演じる、モノが妖怪化する「付喪神」のように、そのへんのモノが妖怪やら神様になるのが日本なのですね。
そんな妖怪たちに囲まれた若だんな、一太郎は、あまりに過保護に育てられすぎていて、ちょっとかわいそう。でも、その中で体は弱いけどいざとなると勇気を発揮する若だんなは、なかなかカッコいい。周囲の人物も含め、シリーズ化されるのも納得の魅力です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!