hachiroetoのものぐさ遊読帖

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

【2707冊目】星新一『妄想銀行』



新潮文庫1002021」全冊読破キャンペーン29冊目。


安定の星新一クオリティ。さすがにいろいろ読んでいると、ラストの予想がついてしまうものもありますが、一つとしてつまらないと思える作品がないのはさすがです。


ちなみに解説は都築道夫氏ですが、けなすような書き振りでハラハラさせつつ星作品の魅力を的確に表現していて、こちらもおもしろい。特に、描写がないからこそ古びない(「小説はしばしば、描写の部分から、腐りはじめる」)という指摘にはうならされました。


そうなのですよね。さらにいえば登場人物の名前もせいぜい「エヌ氏」、舞台となる国や地域も時代背景も書かれていないからこそ、どの時代、どの場所でも古さを感じないのです。だから星新一の作品は、いつ読んでも、ちょっと未来のほうからやってきたような印象を受けるのかもしれません。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!