自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

【2009冊目】臼田捷治『装幀列伝』

装幀列伝―本を設計する仕事人たち (平凡社新書)

装幀列伝―本を設計する仕事人たち (平凡社新書)



藤田三男……装幀家はだしの編集者

 

英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫)



萬玉邦夫……著者らしさという基本

 

午後の愉しみ―開高健対談集 (1974年)



・雲野良平……一冊の一体感と存在感

幻想の画廊から (1967年)



北園克衛……書籍と雑誌の壁を越える

土方巽頌―「日記」と「引用」に依る



瀧口修造……物質としての本を感じる

シュルレアリスムのために (1968年)


恩地孝四郎……版画装幀のパイオニア

 

恩地孝四郎 装本の業<新装普及版>


柄澤齊……書物愛の継承者

まだら文


中村宏……図画のイメージ喚起力

神話作用 (1967年)


・村上善男……活字があれば十分

博物館学―フランスの文化と戦略


建石修志……装幀の錬金術

黒服 (Kenkyusha‐Reaktion Books)


宇野亜喜良……変容するイラストレーション

寺山修司俳句全集


ミルキィ・イソベ……小説の呼吸感を視覚化する

始祖鳥記 (小学館文庫)


・高橋錦吉……レタリングの達人

 


・前川直……増殖する線のリズム

夕暮まで (1978年)


・清原悦志……毎日新しいことをやる

往復書簡 詩と世界の間で―大岡・谷川対話集〈3〉 (思潮ライブラリー)


羽良多平吉……時空を超えるヴィジュアル・オーケストレーション

機動戦士ガンダム公式百科事典―GUNDAM OFFICIALS


・工藤強勝……押しつけない、しすぎない

ダダ・ナチ 1913‐1920 (ドイツ・悲劇の誕生)


松田行正……大胆なのに大仰にならない

ミシン missin’


・多田進……手作業一本の装幀職人

イギリス山


葛西薫……基本は時代を超える

彼が泣いた夜 (角川文庫)


白井敬尚……タイポグラフィを継承する

評伝 活字とエリック・ギル


祖父江慎……体に本を伝えたい

フィロソフィア・ヤポニカ


鈴木成一……主体ではなく、媒体として

共生虫 (講談社文庫)


中島英樹……凝りに凝ったシンプル

カンタレッラの匣


以上、登場する主な装幀家を、一言キャッチフレーズにしてみた。本書にも見出しがついているが、それとは別にダイジェストしたもの。それぞれの装幀した本も挙げてみた(一人だけ見つからず)。

 

こうしてみると、まさしく百花繚乱。本というものが「テキスト」だけではない、まさにひとつのオブジェであり、アートであることがよくわかる。電子書籍がここまで到達するには、いったい何年かかるんだろうか。