【2720冊目】早坂吝『探偵AIのリアル・ディープラーニング』
「新潮文庫の100冊2021」全冊読破キャンペーン42冊目。
AIが探偵、高校生の輔(たすく)がワトソン役のライト・ミステリーです。
AIが人間的すぎたり秘密組織「オクタコア」がベタベタのアニメの悪役っぽかったり、まあいろいろありますが、そういうことは気にせず、さらさらと掻き込むように読むべき一冊ですね。ただ、AIをテーマにするだけあって、AIをめぐる基本問題(フレーム問題、シンボルグラウンディング問題、不気味の谷、中国語の部屋など)もそれなりに盛り込まれています。
あと、人名が超テキトーで笑えます。たとえばAI探偵を生み出したのが「合尾創(あいをつくる)」で、AI探偵をサポートする息子が「合尾輔(あいおたすく)」とか、敵役のオクタコアのサブリーダーが「河津澪(かわつれい←レイ・カーツワイル)」で、シマウマをシンボルとした環境保護団体のトップが「横島馬子」とか、ね。もうちっとそれっぽい名前を考えてもいいんじゃないかと思いますが。主人公のAI探偵が「相以(あい)」というのはあまりうまくないですね。
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