hachiroetoのものぐさ遊読帖

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

【2622冊目】エドワード・リア、エドワード・ゴーリー『輝ける鼻のどんぐ』


せなけいこさんの本を読んで、久しぶりに絵本を読みたくなりました。でも、いまさらせなけいこ松谷みよ子、というわけにもなあ・・・と思って、選んだのがこの絵本。


エドワード・リアの格調高い文を、柴田元幸がみごとな文語調で訳し、そこにエドワード・ゴーリーが絵をつけた「大人の絵本」です。エドワード・リアは初めて知りましたが、ルイス・キャロルにも影響を与えた19世紀のナンセンス詩人にして画家、とのこと。なるほど、確かに本書に出てくる「どんぐ」は、『不思議の国のアリス』あたりに出てきそうなキャラクターです。


海の彼方のジャンブリーから来た少女を見初めた「どんぐ」は、船で帰国した彼女の後を追います。それも、中にランプが入る大きな「付け鼻」をわざわざ作って。そして、四方八方に光を放ちながら、夜のジャンブリーをうろつくのです。


変な物語です。そして、エドワード・ゴーリーの不気味ながらユーモラスな絵が、この文章にはぴったりです。もっとも、例えば『ギャシュリークラムのちびっ子たち』や『おぞましい二人』などに比べると、ゴーリーにしてはかなり「おとなしい」絵にはなっていますが。


結局、「どんぐ」は少女を見つけることができたのでしょうか。それはわからないまま、輝ける鼻をもったどんぐを讃えるように、この本は終わります。それがまた、なんともいえない余韻を残す一冊でした。