hachiroetoのものぐさ遊読帖

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

【538冊目】細野助博「スマートコミュニティ」

スマートコミュニティ―都市の再生から日本の再生へ

スマートコミュニティ―都市の再生から日本の再生へ

「スマートコミュニティ」というネーミングに惹かれて読んだが、実は「スマートコミュニティ」の内容については、本書ではあまり明確には書かれていない。ここでいう「スマート」とは「洗練された」という程度の意味のようであるが、何をもって「洗練された」とするのかは難しい。本書では、国内外のさまざまなまちづくりの実例が豊富に挙げられているが、どうやら「ソフト面を重視」「住民との協働によるまちづくり」「活発なコミュニティ活動」等の要素を兼ね備えているところを「スマートコミュニティ」というらしい(ちょっと違うかもしれない)。

そして、本書が重視しているのは、さまざまな地域・組織における「出る杭」の存在。出る杭は打たれるというが、打たれてもまた出てくる杭に対しては、周りも打つことをあきらめてしまう。そして、多くの「出る杭」が結びつくことで、コミュニティが変化を起こすことになる。ただ、これは逆に言うと、出る杭となってくれる個人の資質や個性に依存せざるをえないということでもあり、そのあたりを行政や地域がどのように(打つのではなく)フォローしていけるのかが大切になってくるということなのかもしれない。

本書自体の感想として言えば、挙げられている個々の事例や考え方には興味深いものが多いものの、相互の結びつきや全体的な論理展開の道筋が私には読んでいて見えづらかった。読み方に問題があるのかもしれないが、一冊の本としての構成がつかめないままの読了となってしまった印象。