【2372冊目】アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『ボックス21』
インスタグラムからの転載。
グレーンス警部ものの第2作。リトアニアから連れてこられ、売春を強いられる女性をめぐる、なんとも救いのない物語だ。ポン引きからひどい暴行を受けて入院したリディアは、なんと医者と患者を人質に病院に立てこもり、ある要求をするのだが、、、
容赦のないリアリズム。吹きさらしの圧倒的な現実にさらされ、読者は言葉を失う。悪はいつまでもこの世にのさばり、弱い者が犠牲になる。求めた救いは得られたのか。いつまでこんなことが続くのか。謎がすべて解けても、この問いが答えられることはない。なんともやるせなく、重い重い一冊だ。