【2171冊目】アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ『熊と踊れ』
- 作者: アンデシュ・ルースルンド,ステファン・トゥンベリ,ヘレンハルメ美穂,羽根由
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/09/08
- メディア: 文庫
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- 作者: アンデシュ・ルースルンド,ステファン・トゥンベリ,ヘレンハルメ美穂,羽根由
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/09/08
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冒頭の武器庫での強奪シーンに驚き、同時に2カ所を襲うという銀行強盗計画に驚き、実話をもとにしたストーリーだと気付いて驚き、訳者あとがきで驚いた。ネタバレ扱いになっているようなのでここでも書かないが、う~ん、そうだったのか。
父から息子への、暴力の連鎖。父を憎みながらも父にとらわれた兄弟たちの「血の悲劇」。物語は過去と現在を行ったり来たりしつつ、思いもかけないクライマックスへ突き進む。しかも繰り返すが、このとんでもない連続銀行強盗事件、実際にスウェーデンで起きた事件がモデルになっているというのである。いやはや、なんともすさまじく、そして哀しい事件であることか。
重厚だがスピード感あふれる、とんでもないクライム・ノヴェル。「このミス」で一位になったというが、深く納得。余計な解説は一切不要の、最高級のピカレスク・ロマンである。