自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【本以外】映画『バジュランギおじさんと小さな迷子』はおススメ

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インド映画ってここまで進化してたのか。以前『バーフバリ』を観た時は、その圧倒的なパワーに驚いたが、本作は別の意味で感動させられた。いやあ、まいった。

 

口のきけないパキスタンの少女が、ひょんなことからインドで母とはぐれてしまう。少女と出会ったパワンは、その子がパキスタンから来たことに気づき、どうにかして家族のもとに戻してあげようとする。ビザ発給の道が絶たれ、パワンは自力で国境を越えることを決意する。名前も知らない6歳の少女を家に帰すために・・・・・・。

 

ストーリーは王道ど真ん中、全球直球勝負のピッチャーみたいな映画だが、それがあまりにも力強くて、駆け引きも計算もなしで観客の胸にドカンと届く。まずなんといっても少女役の子がむちゃくちゃ可愛い。口がきけないということは、わずかな表情やジェスチャーだけですべてを伝えなければならないが、そんな難しい演技もしっかりこなしている。主人公のパワンもいい。最初は、がっちりした体格とぬぼっとした感じがどこかオードリーの春日に見えて仕方なかったが(私だけ?)、これがどんどん成長し、内実が伴ってくるのである。

 

インドとパキスタンの確執という難問を真正面から取り上げたのは快挙であろう。しかも、一方的にパキスタンを悪者にするのではなく、むしろ人間としての普遍性に光を当ててヒューマニズムで一貫させたのが素晴らしい。それがインド-パキスタン国境での、あの感動的なラストシーンにつながってくる。

 

もちろんインド映画であるから、歌あり、踊りありのド派手さは相変わらず(主題歌がまたいいんだ、これが。字幕を読んでいるだけで胸に沁みてくる)。ハリウッドがちょっとひねったエンタメかアメコミヒーローものしか作れなくなった今、これだけの直球オンパレードの映画を堂々と押し出してくるインド映画は、もはやハリウッドを超えてしまったのかもしれない。

 

手に汗握り、げらげら笑い、そして感動に涙する(私の隣に座っていた女性は、後半30分くらいずっと泣きっぱなしだった)。これぞ映画、これぞ本物のエンターテインメント。必見です。