hachiroetoのものぐさ遊読帖

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

【2661冊目】島田昌和『渋沢栄一』


サブタイトルに「社会企業家の先駆者」とあったので、ソーシャルアントレプレナーとしての渋沢栄一について知ることができるのではないかと考え、手に取りました。渋沢栄一社会福祉や教育事業など、いわゆる社会貢献型の事業に多く関わっていますが、そのことをメインで扱った本はあまり見当たらないので、若干の期待があったのです。


ところが残念ながら、本書は渋沢栄一の生涯をコンパクトにまとめたもので、特に社会福祉、社会事業を主眼としたものではありませんでした。特に福祉関係では、東京養育院について若干触れられている程度。サブタイトルはむしろ、社会全体の発展のために企業活動を行うという渋沢の思想を意味していたようです。


大河ドラマで話題の渋沢栄一について総論的に知るには、本書はおそらく手頃な一冊でしょう。ただ、あまりにも過不足なく、言い換えればフラットにまとめられているので、そこから渋沢栄一という人物が立ち上がってくるとは言いがたい。特に本書の多くを占める後半生の記述は、ある程度功成り名遂げた後だけに、どうしても起伏に乏しいものになってしまっています。まあ、その辺りを知りたければ、渋沢の自伝『雨夜譚』を読むか、大河ドラマにかじりつくしかないのでしょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!