【1069冊目】美崎栄一郎『[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術』
[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!
- 作者: 美崎栄一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/01/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 8人 クリック: 159回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
私、実は文房具大好き人間だ。
いくら待たされても腹が立たないロケーションと言えば、まずは本屋だが、次点は文房具屋。ハンズやロフトなど「変わり種」が多い場所ならなおさらだ。職場にはコクヨやライオンのカタログがあるが、眺めているとマジで時を忘れる。雑誌などでも、文具特集などがあるとついつい見入ってしまう(「日経アソシエ」とか「BRUTUS」とかで時々やっていますね)。特に、デジタルよりアナログ系の、シンプルでアイディアの光る文具には目がない。
そんな私にとって、この本はまさに「至福の一冊」。筆記具、ノート、付箋といった定番アイテムのバリエーションから、レゴやマスキングテープなどちょっと意外な使い方で文具になるものまで、ユニークな一品の紹介や定番の一品のユニークな使い方がたっぷりと紹介されている。
クリアファイルにインデックスラベルを貼って書類を整理する、付箋をTo-Doリストとして活用するなど、すでにやっているものもあったが、やはり思いもつかない発想はあるものだ。ノートに一穴パンチで穴をあけてペンを挿す、付箋をしおりに貼って本を読みながら気になったところに貼っていく、レゴブロックを使ってオリジナルペン立てをつくるなど、確かに言われてみればカンタンに見えるが、案外こうしたことがコロンブスの卵なのだ。
特に面白いと思ったのが、塗装工事などで使うマスキングテープの応用。封筒を閉じるのに使ったり(見た目キレイで、しかも開けやすい)、PCのモニターの縁に貼って上から付箋を貼れるようにしたり(直接付箋を貼るとはがれやすい)と実に応用の幅が広い。明日からは職場の机にマスキングテープを忍ばせておこう。
もちろんユニーク商品も満載だ。特に、単なる実用だけではなく、ユーモアで周りをなごませたり、ちょっとした「気遣い」に役立つアイテムが豊富に取り上げられているのがすばらしい。画像を取り込んだオリジナルの付箋や似顔絵を入れたオリジナルスタンプなど、独自に作れるものも多い。文具は単なる「役に立つ道具」というだけではない。こういうアイテムをうまく使えるようになると、職場の雰囲気もなごやかになりそうだ。
仕事ハック系の本で文房具の活用法が取り上げられることは多い。また、タブレットやiPhoneなどのデジタル系アイテムについては、いろいろその活用法が取り上げられやすい。しかし、アナログの「文具」の活用法を正面に置いてここまでしっかり取り上げた本は、案外珍しいような気がする。
しかし事務職員にとっての文房具は、野球選手にとってのバット、大工にとってのカンナのようなもの。「道具」をおろそかにして、まともな仕事はありえない。もっと「文具」については注目されてよいような気がするのだが、どうだろうか。お仕着せの「官給品」だけで、あなたは満足ですか?
ちなみに私、気に入った文具は、けっこう私費で買ってしまうことが多い(本当は仕事で使うPCも私費で選びたいくらいだ)。それが「仕事の質」に結びつているかどうかは、また別の話ということで……。