hachiroetoのものぐさ遊読帖

自治体職員。仕事は福祉系。読書は雑食系。

【131冊目】林雄介「絶対スキルアップする公務員の勉強法」

絶対スキルアップする公務員の勉強法

絶対スキルアップする公務員の勉強法

地方公務員の一般職にとって、数年に一度の異動は民間企業における転職以上の業務内容の激変を伴う。総務畑から窓口へ、福祉関係から都市計画へと、まるっきり違う中身の仕事を、そのたびに一から勉強し直さなければならないのである。さらに、どの業務にも共通する素養として、法律や予算などの基礎的な知識、さらには昇任するに従って組織のマネジメントやコーチングなどのスキルも必須となる。いわば地方公務員人生は、常に勉強に追いかけられているようなものだ(そのわりに多くの人がほとんど勉強していないのもこの業界の特徴であり、それでなんとかなってしまっているのがまた恐ろしいところなのだが)。したがって、本書のような公務員向けの勉強ノウハウの本は非常に貴重な存在といってよいだろう。

本書は「薄い本を最初に読む」「公務員試験の対策本を利用する」など、きわめて具体的かつ実践的な勉強法をいくつも提示してくれており、特に短期間で未知の分野についての最低限の知識や考え方を身につけなければならない地方公務員にとっては参考になるところが多い。また、単に勉強しろというだけでなく、「自分が幸福にならなければ、人を幸福にさせることはできない」と言い、自己犠牲的な働き方を否定して、睡眠や家庭とのバランス、セルフケアやメンタルケアについてもしっかり言及している。仕事だけでなく、公務員としての生活全般について視野を広げ、公務員人生というものについてまで考えられている。読みやすいが案外裾野の広い本といえる。

必読書や文献のリストもかなり充実しており、なぜか巻末にはミニ経済用語辞典までついている。勉強が苦手だと思っている公務員の方ほど、一読して損はないと思われる本である。