【11冊目】みなもと太郎「風雲児たち」
- 作者: みなもと太郎
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2005/12/26
- メディア: コミック
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現在、20巻+幕末編9巻まで刊行され、今なお連載中の「歴史大河ギャグ漫画」。
第1巻冒頭、幕末の話を描くといいつついきなり関が原までさかのぼり、以後20巻にわたって延々と江戸時代を描いてきたが、28巻目にしてようやく幕末らしくなってきたところである。連載のほうは福沢諭吉が緒方洪庵の適塾に入ったあたりだから、まだまだ先は長そうだ。
歴史がテーマだが軽快なテンポとあの手この手のギャグの挿入で飽きさせるところがない。歴史という制約を受けつつこれほどのエンターテイメント性を発揮させているのはすごいと思う。だからといって単に面白いだけではなく、激動の幕末につながってくる個々の重要な出来事については非常に丁寧に描いているため、歴史の大きな流れというものが実感できる仕組みとなっている。
「歴史」というもののもっている力というか引力のようなものを感じ、初めて歴史が面白いと思った。 個人的に印象に残っているのは平賀源内の才能、一般には悪く言われることの多い田沼意次の功績、大黒屋光太夫の苦難の旅のあたりか。また、吉田松陰はこの漫画を読んでファンになってしまった。とにかく、過去読んだ漫画の中で五指に入る傑作。おすすめです。