自治体職員の読書ノート

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【535冊目】今井照編著「市民自治のこれまで・これから」

市民自治のこれまで・これから

市民自治のこれまで・これから

「各地域の問題性はそれぞれ各地域の市民の自己責任となります。地域課題、またその解決方法も地域個性をもつため『天は自ら助くるものを助く』としかいいようがありません」(松下圭一

「自治とか法律とか、建築でも景観でも何でもいいんですが、そういった専門家と素人=まさにそこに暮らしている人たちとの間をうまく結びつける人がいるかどうか。それが自治体間の差をつくっているのではないかと思います」(逢坂誠二:元ニセコ町長)

「こちら(職員)から押しつけてもダメなんですよ。こちらが一所懸命やっていないのに、大変だからあんたたち(住民)やってくれ、と言ったってそれは無理ですよ」(根本良一:元矢祭町長)

「まさに東京、特に都心部住所を有しない市民の坩堝です。その人たちのことをどこまで、どのような形で考えていったらいいのかが大都市における基礎的自治体として問われているはずです」(大杉覚)

「自治体の意思は形成と決定という二つに分けて考えないといけないということです。市民参加の場で出された結論の理由はこうだということを明確に知った上で、それを行政の側で引き取って答えを出すという、一定のルールの中で動いているということが意識されるようになったことが大きいのかなと思います」(庄嶋孝広:市民社会パートナーズ代表)

「北川さん(元三重県知事)にいいました。『職員はまだ知事を信じていません。まず知事が職員を信じてください。職員にも改革力はあるんです。だから職員提案をやって、それを実現させてあげないとダメだ」(梅田次郎:元三重県職員)

「歩いてみてわかることは名もないまちほどおもしろいということです。特に地域の過去をキチっとしゃべれる公務員は結構います。そのような人に会うと嬉しくなりますね」(高橋寛治:高野町副町長)

「そもそも『最後まで地域に残れ』というのは合理的ではない。そういう意味では、自治体職員は合理的であってはいけないわけです。合理的な人は、民間企業に就職するのです。マニアックであるとか、『最後まで逃げない』とか、そういったあまり合理的でない人間に期待します」(金井利之)

「最近、コミュニティということばの使い方がとてもでたらめになっています。コミュニティというのは総合性のあるものであって、非常にゆるやかであり、何でも受け入れていくのがコミュニティなんですよ。だから0歳から100歳まで、外国人もいてれば障がい者もいてる、当然女も男もみなおって、みんなが対等、というのがコミュニティであるべきなんですね」(中川幾郎)

「これを裏返すと、お前のところは小さいだろう、いまだってろくな職員がいないだろうと。金もかかるから、この世から消えろとなる。恐るべき発想ですよね。一定規模できれいに取りそろえようとするのは、一種の美学ですが、それが『総合行政主体』論と結びつくのが問題なのです。私は、世の中ごちゃごちゃしていた方がいいと思っていますから、ごちゃごちゃしながら、苦しいところも小さいところもあるけど、それには存在する理由があると考えた方がいい」(大森彌)

「(市民ということばは)自分で使うときに、どうもこそばゆいというか、気恥ずかしい感じがある。それは日本の歴史や風土から出てきたことばじゃないからだと思うんです。ある理想型といいますか、啓蒙的な意味が込められていることばですよね。ものに喩えるとプラスチックみたいなことばなんですねえ」(松本克夫)

「自治体職員というのは自治体のあり方が変わってだんだん少なくなり、最後にはいなくなるという宿命があるのではないか。その時には兼業禁止などといっていないで、ある時は自治体職員、ある時は社会福祉法人ホームヘルパー、といったような自治体のあり方もあるのかなと思います」(大石田久宗:三鷹市職員)

「ある意味、自治体職員の意識改革がもっとも困難かもしれません。全国画一なのは、職員が国の意向に沿って忠実に仕事をしているからです。しかも選挙で落とされることもない。本当に分権改革が進めば、職員に前例のない仕事と責任を与えることになる。ですから職員が抵抗勢力になる可能性も否定できません」(島田恵司)