自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【210冊目】渡辺保「歌舞伎のことば」

歌舞伎のことば

歌舞伎のことば

当代随一の評者が、歌舞伎独特の用語を「役者の身体」「舞台」「ドラマツルギー」「思想」の4カテゴリーに分けて取り上げ、解説した本。まずこの分類が上手い。説明も、単に辞書的な解説にとどまらず、その背景にある歌舞伎の思想や意味、歴史まで掘り下げ、自在に展開している。個々の言葉の解説が網目状に広がって他の言葉と絡み合い、歌舞伎という大宇宙を描き出してゆくのである。単に演目を観るだけでは分かりにくい歌舞伎の「肝」の部分を懇切丁寧に解説してくれている本。