自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

【204冊目】渡辺保「歌舞伎ナビ」

歌舞伎ナビ

歌舞伎ナビ

歌舞伎のことも知らなきゃならんかな、という、半ば義務感もあって手に取った本なのだが、これがなかなか面白かった。主だった演目のストーリーを追いながら、「見所」あるいは「目の付け所」とでもいうべき点をはっきりと提示していく。「せりふの意味より調子やリズムの気持ちよさ」「知識に頼らない。見て聞いて感じる」「通人にならない」など、うなずかされる言葉が満載。でもストーリーも魅力的なものが多く、台本や原作を読んでみたくなる。そして、機会があれば歌舞伎座まで足を運びたいと思わせられる絶妙の歌舞伎ガイドであった。