読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

自治体職員の読書ノート

仕事は福祉系。読書は雑食性。業務連絡はnsa59871atmarkexcite.co.jpへどうぞ。

【1546・1547冊目】ブルーノ・ムナーリ『木をかこう』『太陽をかこう』

木をかこう (至光社国際版絵本)

木をかこう (至光社国際版絵本)

太陽をかこう (至光社国際版絵本)

太陽をかこう (至光社国際版絵本)

珠玉の絵本2冊。子どもの頃に出会っておきたかった。

『木をかこう』は、文字通り、木の描き方を淡々と、順を追って教える一冊だ。最初はいちばんシンプルな、幹から2本の枝が、そこからさらに2本ずつの枝が分かれていく木。幹が一番太く、枝に分かれるほど細くなる。これが鉄則。

ここから始まって、じゃあ風が吹いたらどうなるか? 幹がやたら長かったら? 枝が横に生えたら? 線をぐにゃぐにゃにしたら?……と、どんどんどんどんバリエーションを加えていく。基本形を変えなくても、驚くほど多彩多様な木が次々にあらわれる、その衝撃。木がひたすら描かれているだけなのに、感動さえさせられる。

『太陽をかこう』は、そこまで方法論的じゃないが、そのぶん多様で、多彩だ。朝焼けの太陽、夕暮れの太陽、スモッグの中の太陽など、いろんな太陽の姿を描くことに始まり、アートに描かれている太陽、昔の人が描いた太陽、顔の描かれた太陽から黒点の強調された太陽までが登場する。

太陽の「描き方」もいろいろ出てくる。指で描いたもの、クレヨンで描いたもの、フェルトペン、切り紙、ボールペン……。同じ「太陽」だからといって、同じように描かなきゃいけないワケじゃない。なのに描かれたモノは、こんなに多様で多彩でありつつ、どれもまぎれもなく太陽なのだ。

いや〜、この2冊はスゴイ。子どもが読んでも十分伝わるように描かれているのに、そこにデザインというもののエッセンス、そして「凄み」が息づいている。小学校の図工の授業は、ここから始めるべきですね。