【51冊目】吾妻ひでお「失踪日記」

- 作者: 吾妻ひでお
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: コミック
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失踪、ホームレス、肉体労働、アルコール中毒という自身の体験を、赤裸々に、しかしコミカルに描いた漫画。いろんな賞を受賞したらしい。 前から気になっていたのだが、買ってよかった、というのが正直な感想。
リアルに書こう、あるいはセンセーショナルに描こうと思えばいくらでも描けるところを、あくまで淡々とユーモラスに描いている。自分の体験にもかかわらず、ここまで見事に距離を置き、クールに眺めていることにまず驚かされる。
さらに、決して細密な画ではないが、ちょっとしたディテールの細かさや具体性が光っており、実体験ならではのリアリティが感じられ、絶妙な味わいがある。
買った時にはいまさらという気もしたが、この漫画は面白い。特にホームレス願望、失踪願望を抱いた経験のある方であれば相当楽しめると思う。福祉事務所職員必読。