【1268・1269冊目】フジモトマサル『今日はなぞなぞの日』『ダンスがすんだ』
- 作者: フジモトマサル
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2004/03/25
- メディア: 単行本
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- 作者: フジモトマサル
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/08/21
- メディア: 単行本
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なぞなぞを解く、という至福の時間。
『今日はなぞなぞの日』は、文字通りひたすら「なぞなぞ」が載っている一冊。「ほぼ日刊イトイ新聞」での「火曜日はなぞなぞの日」「金曜日はなぞなぞの答えの日」がもとになっている。ネット上では、火曜日の出題→金曜日の答えとなっており、答えをゆっくり考えることができたが、本になってしまうと、分からないとすぐ答えを見たくなってしまい、衝動を抑えるのに苦労した(白状すると、いくつかは誘惑に負けて見てしまった)。
しかし、本書の「はじめに」にもあるとおり、なぞなぞはああでもない、こうでもないと頭をひねる時間にこそ醍醐味があるのだ。その意味で、やっぱり「ほぼ日」の火曜日→金曜日のサイクル設定はうまかった。なにしろ金曜日までは答えが出てこないのだから、いやでもあれこれ考えざるをえない。
なぞなぞにもいろいろタイプがあるが、本書はすべて「ダジャレ」系で統一されている。そのへんのクセというか法則が分かってくると、なんとなく答えの検討もついてくるから面白い。そして、考えた挙げ句にピタッと答えが分かった時の快感! いやいや、こういうなぞなぞ、子どものころ以来かもしれない。懐かしい。
もうひとつの『ダンスがすんだ』も驚愕の一冊。書名で分かるとおり、これはひたすら、上から読んでも下から読んでも同じ「回文」が載っている一冊なのだが、その分量もさることながら、なんと回文の羅列「のみ」で、ひとつのストーリーができているのだ。
回文そのものもよくできている。冒頭の「医師らしい」にはじまり「妻待つ」「坂で傘」「鍋食べな」など短いものから「男子らが泣きながら死んだ」「地球行きロケット着けろ給油基地」など長めのものまで、まあよくこれだけ考え付くものだと思う。脱帽。
2冊とも、もちろん全ページ、味わいのある独特のイラストが載っていて、それを眺めているだけでも飽きない。特に冷めた目のニヒルな動物がたまらなくキュート。遊びゴコロのかたまりのような、たのしいたのしい2冊。