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自治体職員の読書ノート

仕事は福祉系。読書は雑食性。業務連絡はnsa59871atmarkexcite.co.jpへどうぞ。

【1588冊目】高津カリノ『サーバント×サービス』

(たぶん)前代未聞の、地方公務員事務職が主人公の4コマラブコメマンガ。職業系マンガもここまできたか。

長すぎる名前の巨乳メガネ公務員、山神ルーシー喜美子明江愛里史織(以下略)。仕事はメチャクチャできるがサボり大好きなチャラ男、長谷部豊。おとなしいけど実は毒舌の三好沙耶。この3人の新人職員を軸に、コスプレ好きの臨時職員千早、すぐ謝る頼りない先輩の一宮、なぜかウサギの課長など、微妙にありそうで微妙にありえない登場人物が、区役所(特別区じゃなく政令市の区役所っぽい)の保健福祉課で活躍する。

事務職の公務員をメインにしている時点で相当珍しいのだが、さらに話の長いおばあちゃんや常連クレーマーなど、いかにも現場では「ありがち」なシチュエーションをうまく取り込んでいて、しかもそれが実際に働いている身としてもめっぽうリアリティがあって面白い。親身になって何時間も話を聞いていたら「孫の嫁になってほしい」と窓口で言われるなんて、うんうん、あるある。そこそこ誇張はされているものの、立派過ぎもせず、駄目過ぎもしない等身大の地方公務員とその仕事ぶりが、読んでいて心地よい。

とはいえさすがにお役所ネタだけでは限界があるのか、後半はどんどんラブコメ路線になっていくのだが、それはそれで展開としては悪くない。4コマ連作なのもリズミカルで読みやすい。まあ、公務員志望者は(多少のフィクションは織り込んだ上で)読んでみるといい。雰囲気はよく出てると思います。

ちなみに私は、第1巻の最初のほうで、チャラ男の長谷部がこんなふうに言っているのに、思わず深くうなずいてしまった。

「公務員はな、怒られるのが一番の仕事なんだよ」

至言である。