自治体職員の読書ノート

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【897冊目】横井雅子『ハンガリー音楽の魅力』

リスト、バルトークコダーイという作曲家を通して語るハンガリー音楽論。

この「読書ノート」、基本的には自分用の備忘録なので、選書が偏っていようが構わずいろいろ書いてきたのだが、う〜ん、この本はさすがに趣味的すぎるかもしれん。クラシックに興味のない方にとってはおそらく永遠に手に取ることはないだろうし、興味があっても、ハンガリー音楽なんてかなり「ニッチ」で「マニアック」な分野である。モーツァルトベートーヴェンは知っていても、まあ本書に登場する作曲家でいえば聴いたことがあるのはせいぜいリストくらい、バルトークなら名前くらい聞いたことがあるけど、コダーイって……?というのが、まあ大方の反応かな、と勝手に想像している。それとも、実は世の中には「隠れクラシックファン」(別に隠れているわけじゃないだろうけど)がけっこう存在していて、リストとジプシー音楽の関係、とか、バルトークハンガリー民謡の関係、などという話題で盛り上がったりしているのだろうか。コダーイ萌え、とか言っているのだろうか。いや、そりゃないな。

ということで、本書についてはホントにメモ程度で済ませるが、リストについては、リストそのものについてより、ハンガリー音楽とジプシー音楽の関係が興味深い。それは単に音楽だけの問題ではなく、ハンガリーとジプシー(ロマ)の切っても切れない関係につながってくることと思う。ロマについてはそのうち何か読んでみたいと思っているが、ヨーロッパを読み解くカギのひとつは彼らの文化や生活にあるのではないかと勝手に睨んでいる。

バルトークは、やはり民謡研究にこれほど没頭していたというのが驚きであった。バルトークの音楽は、一見メカニックだが、どこか泥臭さや暖かみが感じられる不思議な曲が多い。その理由のひとつは、ハンガリーの民謡と伝統音楽がその中に溶け込んでいるからだったのかもしれない。コダーイは、作曲家としても好きだが、音楽教育家としても傑物であった。その「歌唱中心」の音楽教育メソッドは、日本の音楽教育を考える上でも非常に示唆に富んでいる。

まあ、今回はこんなところで。それにしても、ハンガリーはなかなか面白くて奥が深い。さて、次は何を読もうか。