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自治体職員の読書ノート

仕事は福祉系。読書は雑食性。業務連絡はnsa59871atmarkexcite.co.jpへどうぞ。

【1001冊目】デビッド・オズボーン/テッド・ゲーブラー『行政革命』

行政革命

行政革命

本書を読むのは2度目になる。最初に手に取ったのはもう6年くらい前だろうか。まだこの「読書ノート」を始める前、行政改革に関する本をちょこちょこと読み始めたころだった。

その時も内容の斬新さにびっくりしたが、今回読み直して、改めてこれは大した本だと思った。この間、この手の本をいろいろ読んできたが、そこに出てくる論点はほとんど本書で書き尽くされている。刊行されたのは15年前だが、もはやこれは行政改革の「古典」である。

本書で挙げられているのはアメリカの事例。こう書くと、日本とアメリカは違う、という意見も出てくるかもしれないが、読んでみるとむしろ日本とアメリカの地方自治体が置かれている状況のあまりの類似性に驚く。そして、この15年間に日本の「先進自治体」が取り組んできた対応策と、本書で取り上げられている事例もまた、ほとんど重なっているといってよい。

もちろん事例としては本書が先行だから、日本の地方自治体はアメリカの地方自治体の辿ってきた軌跡をなぞっていると言ってよいかもしれない。アメリカで起きたことは数年後には日本でも起きる、とはファッションや社会現象でよく言われるが、行政改革もまた例外ではないのだろう。

もちろんそのことは、単なる偶然とは思えない。むしろ正確には、本書を読んだ改革派首長や議員、職員が、その内容を参考にしつつ、自らの自治体の改革に応用したというべきだろう。実際、三重県北川正恭元知事は就任当初、本書を職員に示して改革への取り組みを語ったと聞いている。内容について全然触れられなかったが、日本中の地方自治体で起きた行政改革のエッセンスは本書にほとんど入っている、とだけ言えば、それで十分ではないだろうか。翻訳のデキがいまひとつなのが残念だが、全職員、全首長が一読すべき本であることには変わりない。