【2688冊目】茨木のり子『倚りかからず』
茨木のり子の詩は、まっすぐに心に突き刺さる。
平易な言葉が組み合わされているだけなのに、
一見、散文のようなのに、
実は、極限まで研ぎ澄まされ、削ぎ落とされている。
なんというか、言葉の純度がものすごく高いのだ。
言葉のクリスタルゼーション。
だが、冷たいわけではない。むしろ、温かい。
読むほどに、自分の心が適温になっていくのがわかる。
それも言葉の力、詩の力。
薄い本だが、そこから通じている世界は、とんでもなく広く、深い。
生涯、手元に置いておきたい一冊です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!