自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【2399冊目】寺山修司『ポケットに名言を』

 

ポケットに名言を (角川文庫)

ポケットに名言を (角川文庫)

 

 

 

どんな言葉を好むかということが、その人自身を明らかにすることがある。だから就職面接などでは、その人の「座右の銘」を聞きたがるのだろう。寺山修司だったらそんな時、なんと答えるだろうか。ちなみに寺山修司が出会った最初の名言は「花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ」(井伏鱒二)だそうである。

これは、寺山修司がセレクトした「名言」のセレクトショップのような一冊。新約聖書シェークスピアなど名言の「定番」もあれば、映画のセリフや演歌の歌詞も出てくるのが寺山修司らしい。ちなみに「あとがき」では名言というものの定義づけを試みており、これがまたおもしろい。こんな感じなのだ。

一、呪文呪語の類
ニ、複製されたことば、すなわち引用可能な他人の経験
三、行為の句読点として用いられるもの
四、無意識世界への配達人
五、価値および理性の相対化を保証する証文
六、スケープゴートとしての言語