自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【本以外】どこで本を読みますか

本を読む場所と読む本の関係って、ふだん意識していますか。

 

本を読む場所としてよく言われるのが、「三上」だ。「枕上」「厠上」「鞍上」の3つが読書に最適とのこと。もともとは欧陽脩が言い出したもので、詩文を考えたり思索にふける場所、として挙げられたようなのだが、読書に転じて紹介されることも多い(柴田宵曲などが確か書いていたような。裁判官の倉田卓次も書いていたかな)。少なくとも私の場合、この3つが読書スペースとしてどんぴしゃにあてはまる。「鞍上」は馬に乗って移動している時ということなので、今でいえば移動中の電車の中ということになるか。

 

私についていえば、読書時間の8割くらいが電車の中だ。以前は「行き」と「帰り」で読む本を変えていたが(行きは頭を仕事モードにするため、仕事に関連した少し硬めの本。帰りは逆に、リラックスさせるため小説や軽めのエッセイ、など)、最近はそこまではやってない。移動中の本の重さはバカにならないし、むしろ出勤のときに仕事がらみの本を読み始めると、かえって自分の今抱えている仕事に頭を奪われてしまうからだ。ちなみに今読んでいるのは大澤真幸社会学史』。新書だがボリュームがあって、先週後半からずっと読んでいる一冊だ。

 

社会学史 (講談社現代新書)

社会学史 (講談社現代新書)

 

 

ちなみに、読みながら別のことを考えてしまうことは結構ある。本によっては、その状態のまましばらく読み進めてみて、後から理解度を図ってみることもあるけれど、たいていはいったん本を閉じて考え事のほうに集中する。一定の結論らしきものが出たら、スマホのメモ帳にその内容を打ち込んで、メールで職場に送信することで、なんとか頭を切り替えようとする。ちなみに仕事の帰りや土日に仕事上で気になることがある時も、この手はよく使う。ストレス軽減のための一種のライフハックだ。

 

話を戻すと、「枕上」つまり寝る直前は、詩集や俳句を眺めることが多い。以前コチラで紹介した『宮沢賢治詩集』『谷川俊太郎詩集』などはこの時間帯に少しづつ読んだ。最近はお気に入りの『西東三鬼全句集』や、歳時記をぱらぱらめくって目についた句を眺めることが多いように思う。面白過ぎる小説などは寝る前には危険。エッセイもいささか刺激が強いし、途中で読むのをやめるのは難しい。俳句の場合、一句読むごとに頭の中でイメージを転がして遊ぶので、どこでやめてもキリがよく、かえって寝つきもいいようである。

 

新編 宮沢賢治詩集 (新潮文庫)

新編 宮沢賢治詩集 (新潮文庫)

 

 

 

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)

 

 

 

西東三鬼全句集 (角川ソフィア文庫)

西東三鬼全句集 (角川ソフィア文庫)

 

 

「厠上」は、なぜかマンガか読書術系の本が多い。これは理由を聞かれてもよくわからず、なんとなく自分の中で定着してしまっているので、これ以外の種類の本をトイレで開いているとなんとなく気持ち悪い。ちなみに電子書籍はほとんど利用していないが、マンガはけっこうスマホに入れているので(最近は「ジョジョ」を週1冊くらいの割合でダウンロードしている)、外出先のトイレでは電子版のコミックにお世話になることもある。自宅では『ゴルゴ13』あたりが多いかもしれない(ブックオフで100円のを買ったりして時々ストックしている)。読書術は松岡正剛佐藤優などが定番かな。

 

 

 

 

ゴルゴ13 193 血まみれのマハ (SPコミックス)
 

 

 

多読術 (ちくまプリマー新書)

多読術 (ちくまプリマー新書)

 

 

 

読書の技法

読書の技法

 

 

それ以外の時間については、平日の昼休みは基本的に本は読まない(なるべくならスマホもみない。頭を活字から切り離したいからだ)。夜は比較的長めの本を少しづつ読んでいることが多い。『源氏物語』『白鯨』のようなガチの長編小説や、モンテーニュ『エセー』、パスカル『パンセ』などはこうして読み切った。最近は、角川文庫から出ている松岡正剛『千夜千冊エディション』などをつまみ読む。『法華経』『維摩経』などの仏典もいい。入浴中も以前はいろいろ読んでいたが、最近は読み捨てるつもりで買った雑誌をパラパラやっていることが多いかな(大事な本だとふやけてタイヘンなことになる)。

   

 

 

 

サンスクリット版全訳 維摩経 現代語訳 (角川ソフィア文庫)

サンスクリット版全訳 維摩経 現代語訳 (角川ソフィア文庫)

 

 

 

土日も自宅ではほとんど読まず(アマプラで海外ドラマや映画などを見ていることが多い)、読みたいときはわざわざ喫茶店に行く。ちなみに、平日の通勤時間に読む本と土日に読む本はわりときっちり分けていて、まず土日は小説は読まない。仕事関連の本もめったに読まない。多いのはややソフト系のサイエンス、アート(音楽の本とか)、軽めのエッセイなど。この土日に読んでいたのは、アンドリュー・パーカーの『眼の誕生』、村上春樹柴田元幸の対談本『本当の翻訳の話をしよう』だった。この2冊はどちらも良書(特に前者は傑作)なので、そのうち紹介します。

 

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

 

 

 

本当の翻訳の話をしよう

本当の翻訳の話をしよう

 

 

まあこんな感じで、普段の生活の各所に読書が「配当」されているのが私の生活なのだけれど(他にも細かく言うといろいろあって、たとえば宿泊旅行なら司馬遼太郎スティーヴン・キングだとか、飲み会の帰りはコンビニで買ったマンガだとか)、こういう読み方ってみなさんもしているものなのだろうか。他の人の本の読み方が、なんだか覗き見みたいでちょっと気になるので、試しに自分のやつを公開してみました。

みなさんは、「どんな場所」で「どんな本」を読んでますか?