自治体職員の読書ノート

自治体で働くソーシャルワーカーが、読んだ本を紹介します。

【本以外】ウインド・リバー

 

 

 

毎月1日は「映画の日」。土曜日ということもあり、気になっていた映画を観てきた。

 

舞台はインディアン保留地ウインド・リバー。周囲数キロにわたり人家もなく、車で行くこともできない雪原で倒れ、死んでいた少女は、なぜか薄着で裸足だった。事件を辿るのは、FBIの新米女性捜査官と、助力を頼まれた地元のハンター。

ハンターの本領を発揮して、わずかな痕跡から追跡を繰り広げる「犯人狩り」には、一瞬たりとも目が離せない。だが、この映画は単なるアクションやサスペンス映画ではない。背景にあるのは「雪と淋しさしかない」インディアン保留地のすさんだ虚無的なありよう。さらにその裏側に横たわっているのは、強制的にインディアンを移住させ、囲い込んできたアメリカという国の欺瞞と理不尽だ。メッセージをダイレクトに出すのではなく、スリリングな展開の中に埋め込む監督の手際は見事。ハンター役のジェレミー・レナーの存在感もすばらしい。

実際に何が起きたかはクライマックス直前に明らかにされる(あの「場面の移動」の仕方も、古典的だが鮮やかだった)のだが、予想どおりというか、ハッピーエンドとは程遠い結末に、インディアン保留地の暗い現実が重なる。映画を観てスカッとしたい!という方はやめたほうがいいかもしれないが、心に残る映画を味わいたい方にはおススメだ。