【1931冊目】御厨貴『政治の眼力』
毎日新聞の「政界人物評論」がいつも楽しみだった。黒鉄ヒロシの絵も素晴らしいが、なんといっても現代の政治家たちの実像が、リアルタイムで分析されているのがおもしろい。単発のニュースを見ているだけではわからない、その政治家の「方法」さらには「生きざま」が見えてくると、くだらないとしか思えなかった政治のゴタゴタも、色がついて見えてくる。月並な言い方だが、やはり政治とは人なのだなあ、と思わされる一冊だ。
そこで、今回はすこし趣向を変えて、本書の内容をもとに、それぞれの政治家をキャッチフレーズで表してみたい。本書も絶妙のタイトリングをしているが、あえてそれとは変えてみた(あんまり変わっていないのもあるが)。うまくいったら、おなぐさみ。
麻生太郎:現代の貴族、政治に遊ぶ
山口那津男:メル友・なつお君はフツーを超えるか
谷内正太郎:外交職人の本懐
菅義偉:官邸の「必殺仕事人」
甘利明:「私」に流れ込む「公」の位相
安倍晋三:マイノリティの逆襲
野中広務:ケンカ名人の孤独
脇雅史:匿名的政治家の変貌
細田博之:分業屋の修繕力
高村正彦:ロジカルなチョイ悪親父
石破茂:理屈っぽい異邦人
細野豪志:「賢さ」の陥穽から抜けだせるか
岡田克也:負け名人のオーラス
岸田文雄:バランス感覚の功罪
谷垣禎一:安倍の速度に翻弄されて
小渕優子:フツー感覚の行く先は
舛添要一:マレビト学者、知事室に入る
仙石由人:弁護士は政治家になれるのか
与謝野馨:政策一本の政治人生
小沢一郎:大山鳴動、小沢一匹
森喜郎:自己を抑えて大道へ
小泉純一郎:新世紀型首相という怪物
福田康夫:「ならざるべくしてなる」という生き方