【1016冊目】原尻淳一『READING HACKS!』
READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣
- 作者: 原尻淳一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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職読。お役立ち系。
この「読書ノート」にはあまり取り上げていないが、実は「読書法」や「読書ノウハウ」の類には目がない。特にテクニカルな部分で「おっ!」と思わせてくれる本や記事は面白い。ただ、本書も存在は前から知っていたのだが、「超アウトプット生産のための『読む』技術と習慣」などといういかにもなサブタイトルにうさんくささを感じて食わず嫌いしていた。ところが、今回たまたま図書館で手にとってページを繰ってみたら、なんだか案外面白そうな匂いがするではないか。しかも極めつけに、著者略歴に「ISIS編集学校師範代」なんて書いてある。おやおや、ワタシの先輩じゃないっすか。これは読まないわけにはいくまい。
で、内容は予想を裏切らない読書技術のてんこ盛り。書店の回り方、本を読むシチュエーションや小道具など、私が大好きな「小技」がどんどん出てくる。もちろん合う部分と合わない部分はあるが、著者のスタンスがはっきりしているので、そのあたりの見極めもやりやすい。だいたい、冒頭の2つのハック「ウィキペディアで著者のエピソードをたくさん読む」「本にのめりこむには、まず著者の声を聴く」が素晴らしい。これは実用的で、かつ極上の読前術である。他にも「著者が書いているすべての本を読んでみる」「垂直型読書と水平型読書」「『思考のホーム・グラウンド』を作る」など、単なるノウハウを超えたかなり「深い」読書論となっている。もちろん小物を使った読書ハックも満載。個人的にはブックダーツとブックストッパーが気になった。
しかし、何よりありがたかったのは「書評メタ検索」、「連想検索」、「想 IMAGINE Book Search」の存在を教えていただいたこと。みなさんすでにご存知であったかもしれないが、私は恥ずかしながら本書ではじめて知りました。感謝、感謝。やっぱり、食わず嫌いはするもんじゃありません。