【214冊目】真鍋 昌平「闇金ウシジマくん」
- 作者: 真鍋昌平
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/07/30
- メディア: コミック
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「闇金」というそれ自体犯罪の世界に生きる「丑島」を中心に、その周辺の生々しい人間模様を克明に描いたマンガ。当初はかなりえげつないバイオレンス路線だったが、最近は、風俗嬢やフリーターなどの人々のありようを中心に描き、ストーリーも「闇金」自体はかなり背景に引いており、社会派的な路線がメインになっている。また、最初の頃は救いのない残酷物語的な結末が多かったが、ここのところはむしろどん底に落ちた人々の再生譚がしっかりと描き込まれており、上質の人間ドラマといってもよい内容である。とはいっても、一貫しているのは現代社会の最底辺をしっかりと見つめ、おそろしいほどリアルにそれを描写していくこの作者の姿勢と、それを可能にする画力である。いわば闇金を舞台に据えた、ケータイとネットの時代である現代版「ナニワ金融道」。ちなみにスピリッツに連載中。