2007-08-22 【201冊目】夏目漱石「草枕」 せつなさ・いとおしさ・なつかしさ 草枕 (岩波文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1990/04/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (53件) を見る作品順では「猫」「坊っちゃん」に続くらしいが、内容は一転してゆったりした雅味あふれる芸術小説、というより風流小説というべき味わいである。「蒸気機関車的」な文明に反発し、芸術に遁世の道を見いだす主人公の「旅の画工」は、漱石にとってひとつの理想の生き方なのか。「余は木瓜になりたい」の一節が心に残る。