自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【2830冊目】マーク・オーエンス&ディーリア・オーエンス『カラハリが呼んでいる』

カラハリが呼んでいる (ハヤカワ文庫NF) 作者:マーク オーエンズ,ディーリア オーエンズ 早川書房 Amazon 本書は、先日読んだ『ザリガニの鳴くところ』の著者ディーリア・オーエンスが、夫のマークとともに若き日々を過ごした7年間の記録です。その舞台は、…

【2829冊目】松田行正『眼の冒険』

眼の冒険 ――デザインの道具箱 (ちくま文庫) 作者:松田 行正 筑摩書房 Amazon 直線、面、形、文字。 ありとあらゆる視覚情報をこきまぜて、「見えること」と「見ること」の間隙を突く一冊です。 ★★★ まずは「相似」の話から。 雑誌『遊』で展開された「似たも…

【2828冊目】アンソニー・ホロヴィッツ『ヨルガオ殺人事件』

ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 東京創元社 Amazon ヨルガオ殺人事件 下 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 東京創元社 Amazon 前作『カササギ殺人事件』では、前代未聞の「入…

【2827冊目】泡坂妻夫『しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術』

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫) 作者:妻夫, 泡坂 新潮社 Amazon 著者は推理小説家にしてマジシャンとして知られる作家ですが、本書はどちらかというと「マジシャン」としての手際があざやかな一冊です。 推理小説の中には、トリックの…

【2826冊目】ディーリア・オーエンス『ザリガニの鳴くところ』

ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ 早川書房 Amazon 世界中で1000万部以上売れたという本書は、なんと70歳の動物学者が書いた初めての小説だそうです。 でも、それも読んで納得。 確かにこれは、動物学者でなければ書けない小説です。 ★★★ …

【2825冊目】吉村萬壱『ボラード病』

ボラード病 (文春文庫) 作者:吉村萬壱 文藝春秋 Amazon 村田沙耶香『地球星人』を紹介した際、ある人からオススメいただいた一冊。やっと読めました。 『地球星人』を受けてのリコメンドという時点で、相当ヤバいことが想像されるわけですが、 読んでみたら…

【2824冊目】國分功一郎『中動態の世界』

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) 作者:國分功一郎 医学書院 Amazon ケアをめぐる良書を量産されておられる「シリーズ ケアをひらく」の一冊です。とはいえ、内容はかなりガチの思想書、あるいは思想史に近いものになっています。…

【2823冊目】小山聡子『もののけの日本史』

もののけの日本史-死霊、幽霊、妖怪の1000年 (中公新書) 作者:小山 聡子 中央公論新社 Amazon もののけ(本文中では「モノノケ」)と言えば、多くの人が思い出すのは映画『もののけ姫』でしょう。 でも、そもそも「モノノケ」ってなんなんでしょうか。 この…

【2822冊目】遠藤周作『海と毒薬』

海と毒薬(新潮文庫)作者:遠藤周作新潮社Amazon 戦時中に起きた米軍捕虜の生体解剖実験を扱った、遠藤周作の代表作のひとつです。本書に出てくる人々はみな、どこか不気味です。生体解剖というとんでもないことをしようとしているのに、全員が「なんとなく…

【2821冊目】宇佐見りん『かか』

かか (河出文庫) 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon 『推し、燃ゆ』が芥川賞となった宇佐見りんさんのデビュー作です。 そういえば最近、最新作も出ましたね。 この現代日本で、新刊がこんなに話題になる作家なんて、他には村上春樹くらいなのではないで…

再開に向けた口上、というか言い訳

ええと、3ヶ月ぶりくらいでしょうか。久々に、再開したいと思います。3ヶ月間、何をしていたかと言いますと、インスタに走ってみたり、ツイッターの読書垢を作ってみたり、読書メーターをいじってみたり、noteに手を出してみたり、まあとにかくあれこれ試…