自治体職員の読書ノート

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【2238冊目】坂井建雄『面白くて眠れなくなる人体』

 

面白くて眠れなくなる人体

面白くて眠れなくなる人体

 

 



「人体を知ることは、自分自身を知る旅でもあります」(p.5)

 



自分でも、自分のことがよくわからない・・・・・・というと、ふつうは性格や心理のことだと考える。でも、「自分」ってそれだけじゃないはずだ。そこには「身体」という、もうひとつの自分が存在するのではないか。

私について言えば、ふだん、自分の身体を意識することはほとんどない。だから、揺れる電車の中で本が読めるのは、手や顔の動きを察知して、逆方向に眼球を回転させているからだ、とか、食事をしていても気管に食べ物が入らないのは、2つの蓋が自動的に「鼻と咽頭の間」と「喉頭の入口」を塞いでいるとか(この働きが衰えると誤嚥をおこす)、鼻の孔が2つあるのは交互に呼吸しているからだとか(これはこの本で初めて知ってびっくりしたことの一つ。ちなみに左右が交代する周期はだいたい1~2時間らしい)とか、そんなコトはぜんぜん知らず、意識もせずに生活している。

まあ、それでちっとも困らないのだから、それでいいのかもしれないが、せっかくこれほどの、想像を絶する精妙で複雑なしくみが「自分の内側」にあるのだから、たまには意識をそちらに向けてみるのも面白い。それに、病気や老化によってそれまでうまく働いていた身体の機能が衰えることで、いろんな症状が出てくるし、私を含むほとんどの人は、そうなってはじめて自分の身体を意識するのだから、そうなる前にいろいろ知っておいても損はないだろう。

ちなみに、さっきの「鼻の孔」以外に、本書を読んで驚いたことを2つ。1つ目。オナラを我慢すると、オナラは大腸から血液中に吸収され、一部は肺を通って呼気として口から出てくるという。2つ目。帝王切開という言葉は、カエサルが開腹分娩で生まれたからではなく、実は単なる誤訳だった(ラテン語の「caesarea」が「Caesar」と間違えられ、そのままドイツ語に訳された)。よって開腹手術は、帝王カエサルとは何の関係もないのである。以上!