自治体職員の読書ノート

仕事は福祉系。読書は雑食性。業務連絡はnsa59871atmarkexcite.co.jpへどうぞ。

【2180冊目】星野道夫『旅をする木』

「東京での仕事は忙しかったけれど、本当に行って良かった。何が良かったかって? それはね、私が東京であわただしく働いている時、その同じ瞬間、もしかするとアラスカの海でクジラが飛び上がっているかもしれない、それを知ったこと・・・・・・」(星野道夫旅をする木』p.123)

 

 

旅をする木 (文春文庫)

旅をする木 (文春文庫)

 

 
読む前は興味さえなかったアラスカという土地に、読み終わった今は、行きたくてしょうがない。この本は、危険すぎる。

17年間にわたりアラスカに住む著者が綴る、自然の雄大さと繊細さ、現地の人々との交流。クマ。クジラ。カリブー。オーロラ。インディアン。一瞬の油断で命が奪われる自然の厳しさも、そこにはしっかりと描かれている。

だがなんといっても、世界にはそんな場所もあり、そんな光景もあるのだということに、読んでいて本当に心打たれ、勇気づけられる。そして、文章で読むだけでなく、実際にそこに行き、そんな光景を目に焼き付けたくなるのである。そう、冒頭の言葉を発した、東京で働く編集者のように・・・・・・