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自治体職員の読書ノート

仕事は福祉系。読書は雑食性。業務連絡はnsa59871atmarkexcite.co.jpへどうぞ。

【2104冊目】フィリップ・K・ディック『ユービック』

謎・恐怖・幻想

 

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

 

 
こないだ読んだ『バーナード嬢曰く』で気になった小説。ディックのSFは、何だったか忘れたがだいぶ前に読んだのだが、全然ついていけず、ちょっと苦手意識があった。そのため、本書も読む前は心配だったのだが、読み始めると止まらなくなった。どうやら「ディック・アレルギー」は杞憂だったようだ。

最初の方を読んで、超能力者と反能力者のバトルかと思いきや、物語は思いもかけない方向にどんどん進む。タイムトラベルものかとも思ったが、どうやらそういうわけでもなさそうだ。しかも「ユービック」という、得体の知れない商品の「コマーシャル」が章の最初に挿入されているのに、正体がなかなか見えてこない。小説のタイトルにもなっているくらいだから関係ないワケはないのだが……と思ったら、なんと裏表紙の解説にしっかり「正体」がバラされているではないか。そういえば『バーナード嬢曰く』でも「裏表紙は見るな」と警告されていた、と思い出したが、もう遅い(ちなみに今回読んだのは旧版の表紙で、上のamazon画像とは違う。裏表紙は今はどうなっているのだろうか)。

まあそれほどに仕掛けが周到でサプライズが効いているので、ネタバレしないように本書について書くのはとっても難しい。突飛な設定も、その設定を活かした筋書きも、ここで紹介したいのだがやめておく。ちなみに、私は本書を読んで「とある小説」と「とある映画」を思い出した。う~ん、全然わからんね、これじゃ。

少しだけ「ネタバレ」というか、気づいたことを書くと、「ユービック」は「ユビキタス」に通じるネーミングなのだ。ただ、その「偏在性」のあり方はだいぶ違う。ユビキタスは空間的なものだが、ユービックはそうではないのである。このくらい書けば、ピンと来た人もいるのでは?