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自治体職員の読書ノート

仕事は福祉系。読書は雑食性。業務連絡はnsa59871atmarkexcite.co.jpへどうぞ。

【1919冊目】岡本太郎・内藤正敏『岡本太郎 神秘』

情報・イメージ・ことば

 

岡本太郎 神秘 (Art & Wordsシリーズ)

岡本太郎 神秘 (Art & Wordsシリーズ)

 

 

岡本太郎がのこしたネガを、内藤正敏がプリントして、岡本太郎の言葉を合わせた一冊。その写真は、ざらついた質感と深い陰影をしずかに湛え、見る者を捉えて離さない。『神秘』というタイトルどおり、そこには日本にあって、現代の日本人が見失ったしまった神秘感覚、原始社会のリアリティが、圧倒的な存在感をもって息づいている。

 

「現代人が、自動車やテレビなしでは生活できないように、かつて人は神秘の世界の重みをたしかめなければ生きられなかった」

 

岡本太郎が捉えたのは、文明以前、芸術以前の日本の姿である。そこには、地から湧きだし、人の間から染み出してくるような生命のエネルギーがある。それをこそ、岡本太郎はカンヴァスの上に描きつづけたのであるが、写真においても同じ。絵筆を握ろうがレンズを覗こうが、岡本太郎岡本太郎なのだ。

 

ちなみに太郎は、「写真というのは偶然を偶然で捉えて必然化することだ」と言ったそうだ。名言。