自治体職員の読書ノート

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「イメージの力」(国立新美術館)を観た

六本木の国立新美術館で開催中の展覧会「イメージの力」をみてきた。

正直、あまり期待しないで行ったのだが、よい意味で裏切られた。まず入口にどーんと並ぶパプアニューギニアの「神像つきの椅子」に射抜かれる。スゴイ。芸術とか美術とかを飛び越えた圧倒的なオーラ。印象派もモダンアートも、この3体の像だけで吹き飛ばせそうだ。

角を曲がると世界中の仮面がずらりと並ぶ。圧倒的な迫力に言葉を失う。どういう基準で並べられているのか、地域も時代も混ぜこぜにして、ただひたすら仮面、仮面、仮面。横を見ると中国や日本の獅子舞、反対側には「千と千尋」のカオナシを思わせる縦長の仮面。私は見ているのか、それとも見られているのか。

この企画は国立民族学博物館とのコラボで行われているらしい。道理で民族学的、文化人類学的視点が濃い展覧会だ。美術展と博物展のギリギリのところで、しかしそこに並ぶ有無を言わさぬ迫力の造形物は、たしかに人類のアートの原点でもあるのだろう。

後半は異文化を取り込んで生まれた「ハイブリッドな造形」が圧巻。思わず笑ってしまったのはギニアの棺桶で、これは「棺桶」の既成概念を吹き飛ばすユニークさだ。なにしろ飛行機や魚、イカにビール瓶の形をしているのである。自分だったらどんなのに入りたいか、ちょっと考えてみたりして。

アジアやオセアニア、アフリカなど、地域は離れていても、驚くほど似たような造形が見られるのも面白い。説明板もあるけど小さいので、できれば現物を見て「どこの地域のものか」当てっこをしてみるとよい。ただ、現物だけだと使い道が想像できないものも多かったので、できれば実際にこれらを使っている場面の映像や資料がもっとあっても良かったかな。

個人的には日本のものだが遠野の「オシラサマ」の実物が拝めて嬉しかった。『遠野物語』に出てくるのだが、なかなかイメージが湧かなかったのだ。

たぶんこの展覧会、「美術慣れ」「展覧会慣れ」している人よりも、普段その手のイベントに行かない人のほうが楽しめるかもしれない。なにしろそこにあるのは、大地から直接伸びてくるようなパワーとオーラをたっぷり浴びるという体験なのだから。

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